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『中居正広が結婚を考える夜。』でも全開!「結婚は無理」アピールは中居くんの周到なブランディングだった

 そんな過去まで持つ中居正広がなぜ、40代となった今、中2男子のような「こじらせ」発言を連発しているのか? 年をとって性欲が一気に減退したのか、何か女性不信に陥るようなことがあったのか。

 そうではないだろう。中居くんのこうした言動の背景には、彼なりの計算、ブランディングがあるはずだ。

 それはおそらく、SMAPの加齢問題と関係している。SMAPのメンバーは今、次々と四十路を迎えつつあり、明らかに体力や容貌の衰えを隠せなくなっている。人気もじわじわと下がり続け、嵐を筆頭に後輩たちがすぐ後ろまで迫ってきている。いったいSMAPはこれからどうやって生き残っていくつもりなのか。ファンのみならず、お茶の間も彼らの行く末を心配しながら見つめている。

 だとしたら、中居正広はまさにその「生き残り」のために、自らを「こじらせ中年」に仕立て上げているのではないだろうか。

 これまで、芸能界で年齢を重ねたアイドルが生き残るためには、アイドルを捨て本格的な俳優に転身するか、結婚して家庭的なイメージを前面に出してバラエティータレントを細々と続けるか、しか選択肢はなかった。その転身ができなかったアイドルは加齢とともに落ちぶれていくしかなかったのである。

 しかし、中居くんはそのどれでもなく、逆に「結婚無理」「恋愛気持ち悪い」とこじらせることで、「高齢アイドル」の新たなロールモデルをつくろうとしている気がするのだ。それは、10代のアイドルが恋愛のにおいを隠すのとはまったく意味がちがう。自らの男性性を消し去ってしまおうとするその姿勢は、むしろ、マツコ・デラックスに近いとさえ言えるだろう。たしかに、マツコになれば、年齢や性別を超越して、いくつになってもアイドルで居続けることができるのだ。

 しかも、この戦略はマーケティング的にも正しい。マツコに限らず、坂上忍や有吉弘行と、今、テレビ界を制圧している人気バラエティタレントはいずれも、普通の恋愛や幸せな家庭に背を向けた、孤独な私生活のにおいがする人物ばかりだ。

 みんなが孤独なこの時代、ほんとうの孤独を抱えた者だけが、大衆の嫉妬や反感を買うことなく、その存在を肯定され、その言葉を受け入れられる。ひょっとしたら、中居はそのあたりの時代の空気感も察知して、「結婚に向いていない中年」という「孤独」を演じているのかもしれない。

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