さらには、〈市川市の実家の住所調べてすぐ連絡ください〉とのメールから、15回にわたりTAIJIの実家の住所を教えるよう要求するメールが届いたという。
現在、このなりすましメールの件は、赤塚氏が神奈川県青葉警察署に告訴状を提出し、受理されているのだが、出頭要請がなされているマネージャー女史は、いまだ応じていないという。
これだけでも十分異常な事件だが、TAIJIの死に関して、もうひとつ大きな疑惑がある。それは、“拘置所内で何が起きていたのか”という問題だ。
彼が意識不明になったという一報を聞きつけ、赤塚氏とTAIJIの親族はサイパンへ急行。そこでTAIJIと対面を果たすのだが、首吊りと聞いていたのにも関わらず、首にそれらしき痕はなく、その代わり、顔は腫れ、口には粘着テープの跡のようなものがこびりつき、さらに、胸板には棒状の細長く赤い痣がついていたという。
その状況に納得のいかない親族は繰り返し説明を要求。しかし、主治医からは「病院に運ばれた時にはすでに脳死状態だった。ご親族が到着するのを待ちながら、精いっぱい延命治療を施した」と言われるばかりだった。
このことに対して疑念の晴れなかった赤塚氏はTAIJIの死のあと、サイパンの病院にカルテの開示を要求。しかし、カルテは紛失されており、見ることはかなわなかった(カルテの保存はアメリカの法律により義務付けられているので、これは法的責任の問われる過失)。さらに、開示請求した死亡報告書を確認すると、なんと、司法解剖も死後解剖も、何も行なわれていないことまで判明した。
加えて、自殺を食い止められなかった拘置所の責任を問うべく報告書を入手すると、北マリワナ諸島の拘置所では1時間に1回見回りを行なわなければいけないと法律で定められているはずなのにも関わらず、TAIJIの事故が、発生から2時間も発見されていなかったという事実まで判明した。
本当に自殺なのかどうかが極めて怪しいTAIJIの死だが、こういった関係機関の杜撰な体制により、真実は永遠に藪の中になってしまった。
このことに関して、赤塚氏が日本の警察に相談したところ、答えは「サイパン拘置所の不正事件の可能性が高いが、追及は難しいので事件を忘れて新たな道を歩んだ方があなたのためだと思います。まだ若いのだし、これから新たな出会いがあるのだから、この件に長い時間とお金を使うのはもったいない」というものであったという。