イタリアというと、家族の結びつきが大変に強いことで知られる。結婚当初は、宇多田がその濃密な関係性に耐えられるのか懸念の声もささやかれていた。しかし、結果として、その結びつきがようやく彼女に「呪縛」からの解放をもたらすことになるのである。
ツイッターなどを通して発信される彼女の言葉を読む限り、再婚後は時たま音楽に関する話題を書き込んだりと、徐々に復帰できるメンタルを取り戻し始めているように感じられた。そして、15年7月には第一子を出産。キャリア初期からどこか悲しみや苦悩を背負っているように見えた彼女に、子どもという存在がそれを乗り越える強さを与えたことは想像に難くない。
そして、来春ついに待望の復帰がなされる。当サイトでは以前、宇多田ヒカルがどのように「家族」「親」との「呪縛」と戦ってきたのかをまとめた記事を配信したことがある。ここに再録するので、是非とも読んでみてほしい。
(編集部)
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7月3日、第一子を出産したとのおめでたいニュースをブログで報告した宇多田ヒカル。2014年に再婚したことが話題となったイタリア人男性との子どもである。
しかし、その吉報に対して和田アキ子が浴びせた発言が物議をかもした。
7月5日放送の『アッコにおまかせ!』(TBS系)にて、この話題に対し、「妊娠したことも言わなかったのに、どうして産んでから……」「やっぱり、新曲のあれかね? プロモーション?」と切り捨て、出産報告がまるで制作中のアルバムの宣伝であるかのように語ったのだ。
出産報告を「プロモーション」と受け止めるアッコの下品さもどうかと思うが、まずもって和田アキ子は、宇多田ヒカルという人についてなにも分かっていない。
宇多田は自分の商売のためなら何でも利用する小商いのような人間ではないし、音楽自体、自発的に始めたわけではないのだ。
「Cut」(ロッキング・オン)2009年6月号ではこう語っている。