“健康”や“低カロリーゆえのダイエット効果”を期待させるこれら商品について、永田氏は〈本当に私たちを病気から守り、健康を増進してくれるのでしょうか。あるいは、ダイエットを成功に導いてくれるのでしょうか〉と疑問を投げかけ、まず“カロリーゼロ”系の商品をこう解説する。
〈カロリーを減らす、食べる量を減らすダイエットの場合、体重は一時的に落ちたとしても(中略)カロリー制限によって必要なエネルギーが十分にまかなわれない〉
〈そんな状況が続くと、体脂肪だけでなく、体に不可欠な筋肉組織も落ちてしまいます。(中略)体に不可欠な栄養素が不足するため、体内の生命活動が低下する羽目に〉
体重だけでなく本来の体力まで落ちてしまうということか。さらにそれだけではなく、“カロリーゼロ”は逆に太りやすい体に仕上げてしまうという。どういうことかというと、〈体は想定外の体重減少を危機反応として捉え(中略)摂取エネルギーが少なくても対応できる「省エネモード」〉になるという。
そんな体の状態で食事をすると、〈体脂肪をできるだけ備えて体重を「セットポイント」(※自分のベスト体重)へ戻そうとします。つまり、ダイエットと称してカロリー制限を続けるうちに、体脂肪が増えて代謝が低下〉するのだ。そして結果、〈太りやすく痩せにくい体質〉となってしまうというのだ。
“糖類ゼロ”“糖類ゼロ”もけっしてダイエットにつながるとは言えないらしい。糖類ゼロは、オリゴ糖、デキストリン、グリコーゲン、セルロース、ペクチンなどの多糖類、ソルビトールやキシリトール、エリスリトール、マンニトール、パラチニットなどの糖アルコールが使用されているケースが多いし、糖質ゼロでも人工甘味料が使われているからだ。
砂糖だろうが“ゼロ”の合成甘味料だろうが、大量摂取してしまっては意味がない。永田氏はこう警鐘を鳴らす。
〈カロリーゼロだからと安心して食べたり飲んだりしすぎると、より甘いものを欲しやすくなるので、トータルすると間食が増えたり、(中略)肥満や糖尿病のリスクが高まります〉
〈甘いものに関して依存症があるのは人工甘味料も砂糖も同じ。(中略)甘みがあるかぎり、減量向き食品として安心するのは間違い〉
しかも、こうした人工甘味料には体を蝕む可能性のあるものも少なくない。たとえば、合成甘味料には、アスパルテームやサッカリンなどがあるが、サッカリンは発がん性の疑いがあるという説が根強く、〈一時期は危険性が疑われ禁止されていたこともあ〉るという。