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社員に「北朝鮮人帰れ」の張り紙! ブラック企業大賞を攻撃した「アリさん引越社」はブラックどころかヘイト企業だった

 これに対してA氏は解雇無効、地位保全の仮処分を申し立てる。すると、引越社は勝ち目がないことを知ってか、即座に解雇を撤回。A氏の復職を認めたのだが、10月1日、復職したA氏を待っていたのは、信じられない処遇だった。

 仕事は相変わらずシュレッダー係のまま。「罪状」などと書かれた解雇通知の紙も貼られたまま。さらに、A氏が仕事をするシュレッダー機の前には、A氏の写真の切り抜きに「北朝鮮人は帰れ」の文字が書かれた紙が貼られていた。

 解雇を撤回しながら、謝罪をするどころか、社員に対してヘイト攻撃を仕掛けるなんていうのは、前代未聞だろう。

 こうした会社の姿勢に対して、A氏が復職した日、加入したプレカリアートユニオンが会社前で抗議を行ったのだが、その際に起きたのが、冒頭で紹介した引越社の井ノ口副社長と本部長によるヤクザまがい恫喝事件だった。

 この恫喝シーンについても、井ノ口副社長は「SPA!」で嘘を並べたてている。

「東京本社前での大音量シュプレヒコールは1時間に及び、当社担当者が囲まれていたので、これはまずいと思って駆けつけたんです。ですが、すでに騒音と怒声が激しく、声がかき消されてしまう。大声で怒鳴り合うように声を出さなければ、会話もできない状況だったんです」
「今覚えば、作戦だったんでしょうね。故意に足を踏まれた私は感情的になってしまい、完全に私を悪者にする動画編集が完成したのに驚きましたね。動画で怒ってるシーンがありますが、故意に足を踏まれたら怒るのは当たり前。しかし、そうやって私を焚きつけてタイミングを見計らい、動画を撮影するときだけは街宣車による騒音やシュプレヒコールをぴたりと止めた」

 井ノ口副社長はこんな弁明をしているのだが、現場にいたプレカリアートユニオンの清水直子委員長は、「まったくのでたらめ」だと言う。

「そもそも、街宣は全体で1時間もやっていませんし、街宣をはじめてすぐに本部長が飛び出してきて、恫喝し始めたんです。動画を見ていただければわかりますが、担当者を取り囲んでもいません。私たちは淡々とスピーチをしていただけで、怒声などはまったくなかったですし、逆に撮影のためにスピーチをやめたということもない。足を踏んだとういう話も、カメラマンには自覚がなかったようですが、すぐに『踏んでたんだったら謝ります』と謝罪しています。ところが、副社長と本部長は、ヤクザのような口調で『謝ったら何してもええんか?』と迫ってきたんです。どうしてこんなでたらめがいえるのか、呆れてしまいます」

 たしかに、動画を見れば、編集でこういうシーンを捏造することなどできないことは、素人にでもすぐわかる。

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