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マイルドヤンキーの次は「リア充オタク」…おしゃれで恋人もいるのに「オタク」と名乗りたがる若者が急増中?

 さらに「リア充オタク」が従来のオタクと大きく違うのは「オタク」を周囲にアピールするようになったことだと著者はいう。つまりオタクとしての「態度」は対象そのものだけでなく他人にも向いているわけだ。

〈それを普段持ち歩くものに装着するのも大事な態度表明。自分の抱く愛を他人に見えるように「可視化」してはじめて、愛が完成するのです。かつてのオタクが自分のオタク性を隠し、一目を忍んでいたのとは隔世の感があるのがお分かりいただけるでしょう〉

 たしかにショルダーバッグに刀剣男士の缶バッジを大量につけた若い女性オタクを街で頻繁にみかけるようになったが、そういう理由だったのか……。

 ちなみに「リア充オタク」が自分のオタク性をアピールするのはオタク同士の間だけではないらしい。むしろそうした趣味をもたない一般人との交流でこそ威力を発揮する。先に述べたように「リア充オタク」はオタク属性をコミュニケーションツールとして利用するが、いまや市民権を得た「オタク」は一般人にとって非常に「わかりやすいキャラ」であり、そう振る舞うことで円滑に相互のコミュニケーションがはかれるということのようだ。

 しかし、読み進めているうちに疑問に感じ始めたのだが、そもそも、これを「オタク」の新しいトレンドと考えていいのだろうか。

 たとえば、「リア充オタク」は著者の観察によれば「ガチオタク」と「エセオタク」のふたつに分類されるという。「ガチ」なのはウィキペディアや海外動画サイトの違法視聴などで情報を得て一般人がオタクになったケース。「エセ」は本来オタクコンテンツにほとんど興味がないのにオタクキャラを便利に使いたいがためにオタクを自称する。つまり「昔からマンガが好きで、かなりマニアックなマンガも読みます。とくに好きなのは『ワンピース』です!」というような人らしい。著者によれば「ガチ」と「エセ」の線引は「一定水準以上のオタク知識・経験」があることらしいが、ウィキペディアで「ガチ」って……それはもはや「オタク」ではなく「一般人」だろう。

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