すると、このBPO申立翌日、藤井氏がレギュラーコメンテーターをつとめる朝日放送の別番組『教えて!NEWSライブ 正義のミカタ』で、藤井氏が「諸般の事情で」しばらくの間、休養することが発表されたのだ。
朝日放送は大阪維新の問題とは無関係としているが、それを信じる者はいないだろう。
いや、それどころか、朝日放送はBPOに提訴される前に、大阪維新から抗議を受けており、その時点で藤井氏をこっそりすべての番組からおろすことを決めていたという。
「大阪維新はメールを入手した直後に、朝日放送に抗議をしてきたらしい。朝日放送側はこれに対し、『藤井氏を降板させる』ということで、維新側と手打ちしていたようなんです。その時点では内々で解決するということになっていて、BPO に提訴するなんて話はまったくなかったらしい」(在阪テレビ局関係者)
権力にはからきし弱いテレビ局らしい話だが、しかし、こうした手打ちにもかかわらず、維新はそれを破って、BPOに訴えてきたということらしい。
「おそらく橋下市長がそんなことで手打ちするなんて生ぬるいと、ひっくり返したんじゃないか、といわれています。朝日放送をBPOに訴えることで、テレビ局全体を恫喝し、維新への批判報道を封じ込める狙いがあったんじゃないでしょうか」(大阪維新関係者)
まさに、藤井氏の脇の甘い行動と姿勢が大阪維新側に報道介入の格好の口実を与えてしまったかたちだ。おそらく、これからダブル選挙の11月22日まで、大阪のテレビ局はこれまで以上に、凍りついたように、大阪維新批判を封印してしまうだろう
しかし、今回のメールは本当に、番組降板やBPO提訴に値するような事態なのだろうか。
たしかに、藤井氏が大阪維新や大阪都構想に真っ向から反対し、対立候補を支持しているのは事実だ。番組で反大阪維新、反橋下、反都構想の論調を誘導しているのも事実だろう。