所属事務所をプロダクション尾木に移籍した華原は、活動再開と休養を繰り返すこととなるのだが、ある男性との交際によって、さらなるどん底へと突き落とされる。
「心の置き場所や目標が定まらないまま30代を迎えた私は、また新しい恋をしたのです。ところがそれは、DVという過酷な現実の始まりでした」
この相手とは、後に元モーニング娘。の加護亜依と結婚することとなる飲食店経営のA氏(現在は離婚)。この人物について華原はこう綴っている。
「その人は、いわゆる人の心を操る話術に長けていました。
『あ、私、この人のことがすごく好き』
そうなったタイミングでDVは始まりました。でも、『好き』の気持ちが勝っているから、ちょっと優しくされると許してしまう。それを繰り返すうち、私はすっかり彼の術中にハマり、気づかぬうちにコントロールされてしまう人になっていたのです」
暴力を振るった後に弱い姿を見せたり優しい言葉を掛けたりして、「この人は私がないとダメなの…」と思わせるという、DV男の典型ともいえるA氏のやり口。小室との恋愛や華々しい芸能界での成功が忘れられず、心にポッカリと穴が空いたままの華原を騙すには、この程度の方法で十分だったのだろう。
そして、問題はDVだけではない。一旦は抜けることができていた薬物依存の生活に再び堕ちていくのだ。
「DVを受けたことで不安が募り、また彼が常に安定剤を持っていたことから、私も眠れないことを理由に手を出してしまった。そこからまた薬への依存が始まるのです」
そんな華原は、出演予定だったスペシャル番組をドタキャンする騒動を引き起こす。これまで同じようなことを繰り返していたこともあり、ついに所属していたプロダクション尾木から契約を解除されてしまうのだ。