逆にいうと、役者たちから“モテ”のオーラがなくなってしまう時、それは“歌舞伎”に力がなくなってしまう時でもある。前出の赤間教授の弁。
「不思議なもので、傾き者の精神を失いかけると人気が落ちるんですよ。常識から逸脱し、人を驚かせる新奇さこそ歌舞伎の生命なのです」
現在の“歌舞伎再評価”の流れは、若手歌舞伎役者らが恋愛スキャンダルでワイドショーや週刊誌を騒がせ続けていることと無関係ではないだろう。それは歌舞伎の伝統であり、歌舞伎が芸術・芸能としてのパワーを保ち続けるために必要なものなのだから。
(田中 教)
最終更新:2015.09.05 11:59