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教科書に安倍首相の写真が15枚も! 政権お墨付き育鵬社の“歴史修正、改憲誘導”教科書が公立中学で採択続々

育鵬社の歴史と公民の教科書

 戦後70年談話では、米国に気を使って「おわび」「植民地支配」の文言は入れたものの、直接的な謝罪を回避して、戦争責任を希薄化した安倍首相。そのやり口を見てもわかるように、安倍首相が歴史修正主義を捨てていないことは明らかだ。

 そして、日本の教育界では今、その戦前回帰の思想を持つ首相がお墨付きを与えた教科書が大きな存在感を持ち始めている。「育鵬社」という出版社が発行している歴史・公民教科書だ。

 育鵬社はもともと、戦後の歴史教育を「自虐史観」と否定し、1997年に発足した「新しい歴史教科書をつくる会」の内部分裂により誕生。扶桑社の教科書事業部門を分離して2007年に設立された。

 そして、11年には同社から最初の教科書が出版されたのだが、その出版記念シンポジウム「日本がもっと好きになる教科書誕生」では、当時、野に下っていた安倍氏が登壇。東京書籍の教科書を名指しで左翼的と批判したうえで、こう高らかに宣言した。

「私が安倍政権時代になしとげた教育基本法の改正、この教育の目標をきっちりと受け止めて今回、教科書をつくっていただいた。それが育鵬社の教科書であると確信を持って申し上げることができるわけであります」

 それから4年。今年は4年に1度の公立中学校教科書採択の年にあたるのだが、その育鵬社の教科書が続々と採択されているのだ。

 7月23日には東京都教育委員会が都内の中高一貫校10校、特別支援校において育鵬社の教科書を採択した。7月29日には同じく大阪府四条畷(しじょうなわて)市・神奈川県藤沢市、8月7日には東京・武蔵村山市などで採択が続いている。文部科学省によれば現在、育鵬社版のシェアは歴史が3.9%、公民が4.2%と、着実にその存在感を増しつつある。

 一方、こうした状況に、6月2日には約90の市民団体が育鵬社の教科書内容に関する共同アピールを発表。教科書内容について「侵略戦争と植民地支配を美化し『戦争する国づくり』へ子どもたちを誘導」するものだと批判している。

 いったい、育鵬社の教科書とはどんなものなのか。『新編 新しい日本の歴史』『新編 新しいみんなの公民』を1冊ずつ取り寄せて検証してみた。

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