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和田アキ子が又吉『火花』を「純文学感じられない」と酷評! 又吉『火花』は純文学か? 論争の歴史をふりかえる

TBS『アッコにおまかせ!』公式ホームページより


 発行部数が200万部を超え、歴代芥川賞作品でトップの売り上げ記録(文庫部数は除く)を塗りかえた又吉直樹の『火花』(文藝春秋)。読者の評価はさまざまだが、先日、芸能界の大御所である和田アキ子が『火花』に物申して話題を呼んだ。

 和田が『火花』に言及したのは、先月19日放送の『アッコにおまかせ!』(TBS系)でのこと。和田は『火花』を読んだ感想を、「みなさん、よくおっしゃるのが『純文学の匂いがする』とか『文章に純文学を感じた』というが、何も感じなかった」と述べたのだ。

 この和田の発言に、ほかの出演者たちは苦笑い。勝俣州和が「これ(火花)を読む前にいろいろな小説を読んだ方がいいんじゃないですか。太宰とか」と言うと、「太宰治からいろいろな小説は読んでいますよ。本好きなほうだけど……」と和田は反論。しかし、「あんまり文学がわからないのかもしれない」とも語った。

 和田アキ子の「純文学を感じる」基準が何なのかは不明だが、「純文学」が何なのか、正直よくわからないという読者は少なくないだろう。実際、当の文壇でさえ、「純文学」をめぐってはこれまでたびたび論争が繰り広げられてきたくらいだ。

 たとえば最近では、芥川賞作家の綿矢りさと直木賞作家の西加奈子は『文藝春秋』(文藝春秋)6月号に掲載された対談で、中村文則、羽田圭介、青山七恵、山崎ナオコーラ、森見登美彦、万城目学らという芥川賞と直木賞受賞者、ノミネート常連組が入り交じった作家たちの交流を明かし、「結局、芥川賞とか直木賞とか関係なく、仲良くしてるよね」(綿矢)「小説のジャンルや賞はあまり関係無いな」(西)と語っている。

 また、この場で西は、「純文学とエンタメの違いについて聞かれることも多いけど、なかなか説明が難しい」と話し、純文系の雑誌で小説を書いた際に感じたことを、こう述べている。

「エンタメ雑誌では、急に主人公が行動を起こした時に、「これは何故ですか?」って(編集者から)説明を求められることが多かったのに対して、純文系の雑誌では、「その説明は要らない」って言われた」
「純文学って「キャラクター」に頼らないよね」

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