しかし、この放送でもっとも衝撃的だったのは、スズキ記者が机の上に広げた一枚の未公開写真だろう。写真にはマンションから出てきたと思しき女性の姿。ただ、パーカーのフードで顔が隠れてしまい、誰なのかはわからない。どうやらこの写真、「戦隊系」の男性タレントのマンションから、あるAKBメンバーが出てきたところを押さえたものらしいのだが、メンバーが写真と同じ格好をしているところを確認できていないため、確証が得られないらしい。そこでスズキ記者は「ファンのサーチ力」を見込んで、ネット民に解析を依頼。もしかすると今後、この写真が「週刊文春」のグラビアを飾る日がやってくるかもしれない。
このように、もはや“AKB専属のスキャンダル媒体”と化している「文春」。だが、放送中にスズキ記者も強調していたが、「文春」にAKBサイドと通じるとくべつな裏のパイプがあるわけではない。本サイトでも何度も報じてきたが、「文春」以外の週刊誌やスポーツ紙はAKB運営によってばらまかれた利権と引き換えにスキャンダルを報じられないだけ。AKBの巧みなメディア戦略に乗せられて、スキャンダルを封じ込められているのだ。
この現状にはスズキ記者も落胆しているようで、「(文春は)ひとりマラソン大会」状態だと自虐的に表現。「切磋琢磨したいけれど……(AKB運営に)顔色うかがわないで(他誌でも)やってほしい」と本音を洩らした。
総選挙の裏でスキャンダルの裏側を現場記者が暴露する──こんな大胆な企画を打ち出せるのも、ある意味、「週刊文春」の孤軍奮闘ぶりを象徴しているかのよう。果たして、いつまで「文春」の独走、あるいは孤独な闘いがつづくのだろうか。
(大方 草)
【ニコニコ動画「週刊文春デジタル」はこちらの外部リンクより】
最終更新:2015.06.08 05:05