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長時間労働、数万円の自腹買取り、元ヤン店長の暴力支配…ブラックバイトに気をつけろ

 暴力的な支配も横行する。

「あるとんかつチェーンでは、数店舗を束ねる店長がほとんど現場に姿を現さず(略)、たまに姿を現すと思うと『俺は昔ヤンキーだった』などとちらつかせて、実際に昔の『元ヤン』の仲間をこれ見よがしに連れてきて、従業員が店長の意思に反した行動をとったときのために、にらみを利かせることがあった。そのうえで、学生アルバイトが休みの相談をすると、学生の左耳が数週間難聴気味になるほど、一時間にわたる怒号と説教を浴びせかけたと言う。仕事のミスなどで見せしめに殴られている先輩のアルバイトを見たこともあり、この学生アルバイトは自分が休んだり辞めたりすることができるのか怖くなった」(同書より)

 いざ辞める際にも、50万円を超える迷惑料や違約金を請求されるケースもあり、辞めるに辞められないのだ。当然ながらこうした請求は法的な効力は一切なく、即座に辞めることをお勧めしたいのだが。

 こうしたブラックバイトは利益至上主義をとる企業の経営戦略の末路ともいえる。

「企業の利益目標はまず店長・オーナーに降りかかり、これは最終的に『戦力化』した学生に至る。業績を上げる責任が、『企業(本部)』→『店長』→『学生』と次々に転嫁し、最終的に売り上げに責任を持つのは末端の『学生アルバイト』になってしまうというわけだ。そこにはわずらわしい作業を学生に押し付けることも含む」(同書より)

 社員を使い捨てしたブラック企業は、次は学生アルバイトを食い物にして肥大化しようとしているのだ。
(小石川シンイチ)

最終更新:2017.12.23 07:09

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