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ユニクロ下請け工場のブラックな実態! 月300時間労働、灼熱地獄、違法な罰金…

 報告書によれば、労働環境も劣悪だ。作業現場全体に排水があふれ、換気設備や事故防止等の対策も不十分。深刻なのは、工場内の異常な高温だ。染料部門の染料タンクは運転時に非常に高温になり、100~135℃にまで達することもある。染料部門は灼熱地獄と化すのだ。

「作業員は(略)染料タンクのそばに立って、タンクから重い生地を取り出さなければならず、生地の重量は、600キロにまで及ぶ。室温は38-42℃にまで達することから、仕事中多くの男性労働者が上半身作業服を着用していない。(略)聞き取り調査に答えた労働者は『あまりの暑さに夏には失神するものもいる』、状況は『まるで地獄だ』と話した。こうした状況に対して、高温手当てというものが支払われる場合がある。しかし、1日7ドル、月に100~150ドルがこれにあたるが『実際無意味に等しい』と労働者は話す」(同報告書)

「1日7ドル、月に100~150ドル」とは、日本円(1ドル=110円)で「1日770円、月に1万1000~1万6500円」だ。しかも、作業員が高温の染料タンクのそばで作業しているにも関わらず、染料タンクを囲む囲いやゲートはなく、労働災害によるケガのリスクが増大している。さらに、染物部門では異臭を伴う有害な化学物質が使用されているが防護措置を講ずることができず、健康影響リスクにもさらされているのだ。

 さらに、工場全体には容赦ない罰金制度がある。
「Pacificでは、労働者を処罰するため、58種類の規則が制定されており、そのうち41の規則は罰金制度を含んでいる。罰金制度は労働者と商品の質をコントロールする方法として頻繁に使われる。実際、各々の作業場には、労働規程には定められてない罰金制度と規則があり、作業場のホワイトボードに書いてあるだけのものもある。(略)たとえば織物の部署では、製品の品質保持のために重い罰金制度が採用されている。商品に品質上の欠陥が見つかったり、織り機によごれがあったりした場合は、その労働者に一日の生産ノルマを達成した際に出される割増金から罰金が差し引かれる(罰金の額は労働者の行った行為によって異なるが約50~100人民元の間である)。労働者が、食事休憩以外の機会に昼寝をとった場合は100人民元が手取りから差し引かれる。(略)時間外労働の長い状態から考えれば休憩をとることは認められるべきであるが、管理者は労働者を機械のように扱い、休憩もなく働かせている」(同報告書)

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