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『とくダネ!』小倉智昭がヘイト発言!韓国人は他人に責任を押しつけるのか、と

 そもそも仮に趙被告に反省の色が見られないというのが事実だとして、それは趙被告ひとりの問題であって、「韓国人だから」とか「アジア人だから」とか国籍は関係ないはずだ。にもかかわらず「韓国の人は自分の責任は絶対に認めないで人の責任にするの?」という小倉の発言は、韓国人全員がそうであるかのような差別意識丸出しのヘイト発言そのものだ。この発言だけでもおよそ公共の電波で報道番組のキャスターが口にするとは信じ難いものだが、さらにはこんな差別的な発言を、小倉は悪びれもせず、同じ韓国籍だというだけのコメンテーターにぶつけたのだ。

「韓国人は日本人を見習わないと追いつけない」などと国に優劣をつけるような発言にしても、発言それ自体もひどいものだが、面と向かって明らかに下に見られた国の人間がどんな気持ちになるかなど、小倉は想像することもないのだろう。

「宋さんで何回もだったら、僕なんかもっとだ!」という最後の発言も、完全な逆ギレとしか言いようがない。レギュラーとはいえせいぜい週1のコメンテーターである宋とちがい、メインMCとして絶大な権力を誇示する小倉なら番組構成にもある程度口出しできる立場だろう。自分のほうがホストでありながら、番組構成についてゲストに声を荒げるなんて、理不尽きわまりない。

 しかし自分の質問には絶対に期待通り回答を返さなくてはいけないという小倉の傍若無人さも無神経ぶりも、今に始まったことではない。女子アナ泣かせともいわれるように、現在パートナーをつとめる菊川怜や前任の中野美奈子らにイヤミを言ったり無視したり、コメンテーターや番組スタッフにムチャぶりし期待した反応が得られないとキレたり、そんなことは日常茶飯事だ。

 無神経ではあるが、小倉はとくべつ右派的なスタンスというわけではない。これが、もっと確信犯的な右派論客であれば、ここまで軽卒な差別発言はしないはずだ。小倉はただいつも通り、傍若無人にふるまっただけのこと。おそらくは今も自分が差別発言をしたとは気がついてないだろう。

 この無自覚な差別は小倉だけの問題ではない。

 宋は、極力感情的にならないよう、空気を壊さない程度に、慎重に発言してはいたが、「日本でこんなに長く取り上げる問題なのか」という指摘は、『とくダネ!』のみならず、日本のメディア全体が抱えている問題である。

 韓国の一民間企業の不祥事にすぎないナッツリターン事件を日本のニュースやワイドショーがここまで長期間逐一報じるのは異常だ。後藤さんが殺害された翌々日の火曜日には、人質事件など一切なかったかのように、各局ナッツリターン事件裁判のニュースばかりを報じていたということもあった。人質事件の政府対応についての検証などまったくせず放置したままで、だ。

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