ようするに、引き延ばしを主導したのは、日本政府のほうだったということらしいのだ。もっとも、いくら調査をやり直しても、結果が大きくくつがえる可能性は低い。いつかは北朝鮮の調査報告をそのまま国民に公表しなければならない日がやってくる。
今回の解散は、消費増税や集団的自衛権関連法案の成立前に、選挙をやってしまおう、という意図があるとされているが、もしかすると、拉致問題も関係しているのではないだろうか。
「それがすべてではないでしょうが、一つの要因になっていることはたしかでしょうね。最初、安倍首相は拉致問題を解決して解散総選挙という甘い夢を抱いていたようですが、フタをあけると、真逆の展開になった。でも、それが逆に解散総選挙の流れを加速させた可能性はある。事実が明るみに出る前に選挙に打って出よう、と」(前出・全国紙政治部記者)
都合の悪い事実を隠蔽し、何から何まで政治利用する。これでも、日本国民はこんな政権を支持し続けるんだろうか。
(野尻民夫)
最終更新:2015.01.19 04:30