こうして始まった鼎談だが、さらにそれはエスカレートしていく。
八木「(塩村議員の)質疑を聞いていた自民党議員らの間にも、『そういう一般論を述べる前に、あなた当事者意識を持ってはいかがですか』という雰囲気があった。(略)あの場にいる人たちの了解事項だったのに。ヤジによって彼女が傷つけられたという部分だけをセクハラにして問題にするのは、私は違和感がありますね」
「(セクハラヤジを)封殺するのは、一種の『ポリティカル・コレクト』です。自分たちから見た政治的な正しさから言葉狩り、言論封殺で政治運動を行うわけです」
また八木は「『セクハラ』の概念を使うことによって、女性は主導権を握ることができるようになるのです」などと、セクハラを主張することは男性差別であり言論統制、弾圧だとさえ主張する。
さらに唯一の女性出席者である細川も「『早く結婚しろ』というのがセクハラだとするならば、私自身もセクハラは受けてきた」と自身の体験を前提にセクハラを擁護する。
細川「私は三十歳で結婚し、三十六歳で長男を産んだのですが、その間、『早く子どもを』とよくいわれました。(略)少なくとも世間一般はそう思うのですから。まして塩村さんは公人である以上、そこは受け止めるべきではないでしょうか」
「正直言って、私は、塩村さんは三十五歳というご年齢ですから、まず、結婚して子どもを産むことを、議員活動よりも優先した方がよいと思います」
セクハラでも「世間一般」の認識ならそれを受け入れるべきで、35歳なんだから仕事より出産を優先──同じ女性にもかかわらず恐るべき認識を示し、鈴木都議を擁護するのだ。
そして中盤、今度は鈴木都議そっちのけで八木と細川の議論は白熱していき、ついには被害者であるはずの塩村都議へ個人的な事柄にも話題は及んでいく。
八木「そもそも塩村議員に結婚や出産ができない事情があったのでしょうか」
細川「(テレビ番組で)恋愛遍歴を自慢していたようですから、結婚をしようと思うのであれば不可能ではないでしょう」
八木「出産はどうですか。自分は被爆二世だと公表していますが、だから妊娠できないということはあるでしょうか。被爆二世の方で子どもをもうけている方はたくさんいらっしゃいます」
セクハラどころか、被爆者差別を思わせる発言まで飛び出す。そしてフェミニズムへの攻撃も余念がない。