映画「ホットロード」オフィシャルサイトより 宮市和希役の能年玲奈
主演映画『ホットロード』の公開を16日に控え、プロモーション活動がつづいている能年玲奈。8日には『嵐にしやがれ!』(日本テレビ系)に出演し、嵐の5人とともに能年が憧れる美大でTシャツづくりを楽しんでいたが、そこでの発言が物議を醸した。
その発言とは、相葉雅紀に「芸術とは?」と訊かれた際の、「芸術とは……疳(かん)の虫だ!」という一言。ネット上では「なんか奥深い」「きれてる」と絶賛コメントの一方で、「意味がわからない」「マジで意図を解釈できる方いたら教えて下さい」と困惑する声も。結果、“天然・不思議ちゃん”ぶりに拍車をかける結果となった。
テレビに出ても他のタレントたちのように即レスポンスができず、たどたどしく喋る能年。その姿は、一部メディアが“放送事故級の沈黙”と評するほど。さらに口さがない人たちは「コミュ障だろ」「いや、計算の天然」などと揶揄するが、ここにきて“じつは能年はすごく頭がいい”という主張が出てきた。
それは、現在発売中の「すばる」(集英社)9月号に掲載されている能年へのインタビュー記事。聞き手と文はアイドル評論家の中森明夫氏だが、これが能年の“独特の間”を活かしたインタビューで、「……(間)……」が多用されためずらしい構成だ。一見すると「能年ちゃん、やっぱりテレビと同じで喋りが苦手なんだな」と感じさせるが、しかしこの記事では、能年の“意外な一面”が引き出されているのだ。
というのは、中森が『ホットロード』を観て「いや、もうホントに能年さんが(原作マンガの)和希としか見えなかった、それぐらい、憑依っていうんですか」と感想を述べると、能年は表情を変え、こう語り始めるのだ。
「私……(間)……あの……時々、そう言われるんですけど、私自身はすごく台本を読み込んで、役を解釈していって組み立てているので、なんか、そういうふうに言われると、まだまだだな〜と思って……がんばらなきゃな……と思うんです」
憑依という“褒め言葉”は、評論家だけでなく俳優自身が口にすることも多々ある。「役が降りてくる」「自然と役になりきってしまう」と、よく聞くアレだ。だが、能年は「憑依だとすごく……簡単?……な感じがして」と言い、「もっとがんばらなきゃなって、思います」と受け止めている。『あまちゃん』で見せたイノセントな演技を“能年ちゃんの素”なのだと感じていた視聴者は多いと思うが、中森が〈「解釈」「想像」「組み立てる」等の言葉で自身の演技プランを語る〉と綴るように、じつは分析・検討型の女優なのだ。こうした能年の態度に対して、中森は〈能年玲奈はきわめてクレバーな女優だ〉と賛辞を贈っている。