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スカウト、物販、接触問題…地下アイドルの「運営」になる方法

 メンバーやコンセプトが固まったら、いよいよアイドルグループを動かしていくことになるのだが、大きな問題となるのが資金集め。ゆるめるモ!では、ファーストシングル「HELLO WORLD EP」製作時にクラウドファンディングを利用した。しかし、知名度が低かったため、上手く資金は集まらず、結局その次作となるミニアルバム『New Escape Underground!』制作時になってやっと目標額に達成したという。

 たしかに、クラウドファンディングを活用しているアイドルグループは多いが、そのほとんどが、ある程度の知名度があるグループだ。田家氏が「広く出資をお願いする場合、ある程度の知名度と実績、初見の人もつかむようなキャッチーな企画が、必要となってきます」と指摘するように、クラウドファンディングでの資金集めも簡単ではない。

 では、アイドルグループ最大の収入源とは何か? それはライブでの物販だ。しかし、アイドル運営の素人だった田家氏は、物販の重要性を理解していなかったという。そのため、ゆるめるモ!のファーストライブまでにグッズ制作が間に合わず、当日は急遽100円ショップでTシャツを買い、それにメンバーのサインを入れて500円で売った。

 しかし、蓋を開けてみると、その急造オリジナルTシャツはほぼ売り切れで、なかには「レアだし最古参の証明になる(笑)」と話すファンもいたという。アイドルのグッズでは必ずしもクオリティーが高い必要はない。田家氏は、「お客さんのニーズに合えば、アイデア次第でいろんなものを出せるのが、物販の面白いところです」と、アイドル物販の楽しさを語っている。

 また、インディーズアイドルの物販で重要な位置を占めているのが、メンバーとファンがインスタントカメラで撮影するツーショットチェキ(通称チェキ)だ。チェキの相場は500円から1000円程度。自分が指名したメンバーとツーショットを撮影するだけでなく、数分間くらいの会話を楽しむこともできる。田家氏によると「やはりチェキなどの接触のときに人気があるのは、会話を自分からふってくる子、いっぱい手を握ってくる子、ファンの人の顔や名前をすぐ覚えてくれる子、怪しげな雰囲気を出している子などでしょうか」とのことで、ファンとのコミュニケーション能力高いアイドルが人気になるようだ。

 しかしその一方で、AKB48の襲撃事件のようなこともあり、運営としては気をつけるべき点も多いはず。田家氏は、「特に未成年のメンバーは、こちらから守ってあげなくてはいけないと思っています」と、メンバーに対するリスクマネージメントの重要性を強く感じているようだ。

 また、握手やチェキだけではとどまらず、“ハグ会”や「CD○○枚購入で、メンバーとお散歩できる」などのサービスを用意するグループもあり、アイドルの“サービス業化”が問題視される動きもある。ディープなアイドルファンにいわせると、「地下現場のほうが客のマナーがいいから、過激なサービスをしてもヘンなことにはなりにくい」とのことだが、“接触”が過剰なアイドルについては「それはもはやアイドルなのか?」という疑問が湧いてくるのも事実。

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