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野々村県議を見て思った。男が泣いたっていいじゃないか!

野々村竜太郎公式ブログより


「この日本をぉぉお、あぅおぅ、世の中を………がえだいぃぃぃぃ!」

 野々村竜太郎・元兵庫県議へのツッコミが止まらない。そのレッドゾーンまでふりきった泣きっぷりが繰り返し笑われているのはもちろんだが、「中学時代のあだ名は“発作マン”」「学生時代所属していたコーラス部でストーカーの過去」など、真偽のほどは定かではない噂まで連日ワイドショーを賑わせ、ついに先日、議員辞職に追い込まれた。

 野々村議員が日本中からここまでいじられた裏には、やはり私たちの中に「大の男が人前で泣くなんてみっともない」という意識があるからだろう。
 
 果たしてほんとうにそうなのだろうか。たしかに私たちは小さい頃から「男は人前で涙を見せるな」と教え込まれてきた。だが、人前で泣くのは「文化的に考えても決して恥ずかしいことではない」というのは“涙活”の提唱者である寺井広樹氏だ。氏の著書『泣く技術』(PHP新書)によると、そもそも「日本では古来より涙は美しいものとされ、男性の涙に対しても寛容」だったという。

「たとえば『源氏物語』に出てくる涙の表現は『よよと泣く』『涙にむせぶ』『ほろほろ』などさまざまです。」
「『平家物語』では、平清盛はじめ武将たちも、「悲しみの涙」「憐れみの涙」「鎮魂の涙」「嬉し涙」等さまざまな涙を流しています。」
「本来、日本人は男女ともによく涙を流し、涙の表現をしてきたのです。」

 しかし、急激に近代化した明治以降、男の涙は否定的に扱われるようになった。歴史学の研究でも近代の徴兵制によって男女の役割が明確化され、軍事教育で実際に「男は泣くな」という教えが徹底されたことが「男は人前で涙を見せるもではない」という意識に大きく影響していることがわかっている。

 そして、寺井氏はこうした過去の呪縛を解き放ち、むしろ泣くことには「素晴らしい効果があるのだから、積極的に涙を流していい」と主張するのだ。

 その効果の最大のものとは、ストレス解消。人間の自律神経には身体や頭を活発に活動させる「交感神経」と、身体をリラックスさせる「副交感神経」があり、ストレス状態というのは交感神経が高まっている状態のことをいう。その緊張を緩めるには寝ることが最も効果的だが、涙腺が副交感神経のコントロール下にあることから、「起きている状態のまま、副交感神経を活発にできる唯一の方法が、涙を流すこと」なのだそうだ。

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