山縣有朋の歌、献花の行列…デタラメが次々発覚する菅前首相の弔辞 「銀座の焼き鳥屋」も…
しかし、ほんとうの問題は21日の不在や今後の動向ではない。そもそも今回の玉川氏の処遇は最初からおかしかったのだ。ヘイトでもなんでもないたんなる事実誤認、しかもすぐにきちんと訂正をおこなっているのに、10日間の謹慎処分を科すということ自体がありえない。
しかも、唖然としたのは、19 日、玉川氏がおこなった生謝罪だった。
「おはようございます。今回の、私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し、あらためてお詫び申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは、私の慢心と驕りがあったからだと反省致しました。申し訳ございませんでした」
そう、玉川氏は「電通」「菅前総理大臣」の名を挙げ、謝罪したのだ。
玉川氏が謝罪すべきは、視聴者に間違った情報を提供してしまったことについてであり、この両者に謝る必要なんてまったくない。
電通にかんしては、たしかに今回の弔辞を演出していたわけではないが、一方で、同社が自民党や安倍・菅政権のSNS戦略やイメージ演出をずっとおこなってきたのは事実だ。しかも東京五輪やコロナ事業で巨大な利権を与えられるなど、電通と安倍・菅政権は一体の関係と言ってもいい。弔辞にかかわっていなかったことを訂正する必要はあるが、なぜわざわざ謝罪する必要があるのか。
菅前首相についてはなおさらだ。スピーチライターが電通でないというだけで、菅前首相の読んだ弔辞が「演出」されたものであるというのは、まさに玉川氏の指摘通りではないか。
いや、菅氏の弔辞がやったのは演出どころではない。国葬直後に本サイトが指摘したとおり、菅氏は話を過剰に盛って、エピソードをでっち上げていたことが明らかになっている。
その最たるものが、「山縣有朋の歌」のエピソードだろう。菅氏は死後、安倍氏が“読みかけ”だった山縣有朋の評伝を発見、ちょうど最後に読んだページに山縣が暗殺された伊藤博文を偲ぶ歌が載っていたとして、その歌を弔辞で紹介したのだが、実際は、この評伝と歌の話は、当の安倍氏が今年6月に葬儀がおこなわれたJR東海・葛西敬之名誉会長の追悼で引用したもので、菅氏の弔辞はその使い回しだった(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2022/10/post-6232.html)。
また、菅氏は弔辞のなかで、献花の様子について、「ここ、武道館の周りには、花をささげよう、国葬儀に立ちあおうと、たくさんの人が集まってくれています。二十代、三十代の人たちが、少なくないようです。明日を担う若者たちが、大勢、あなたを慕い、あなたを見送りに来ています」とあたかも見てきたかのように語っていたが、実はこれも何の確認もしないまま、ギャンブルで盛り込んだということを自ら明かしている。(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2022/10/post-6233.html)。
さらに、ここにきて、「銀座の焼き鳥屋」のエピソードもでっち上げ演出の可能性が浮上した。