ジェンダーフリー教育バッシングの急先鋒だった安倍晋三と山谷えり子 統一教会の働きかけを示す内部文書
だが、ひどいのは下村氏だけではない。やはり報道に逆ギレしている山谷えり子・元国家公安委員長も同様だ。
本サイトでも報じてきたように、山谷氏をめぐっては、2010年の民主党政権下の参院選直前、統一教会の別働隊である国際勝共連合が山谷えり子氏への組織的な投票を呼びかける内部文書の存在を当時、有田芳生氏が暴露。その内部文書には、下村氏に陳情をおこなったと講演会で語ったA氏が勝共連合本部の本部長として実名で登場するほか、統一教会が山谷えり子事務所と一体になり、票読みから名簿づくり、投票の呼びかけまで、徹底しておこなっていたことが伺えるものだ。さらに〈山谷先生、安倍先生なくして私たちのみ旨は成就できません〉という記述もあり、安倍元首相と山谷氏が統一教会にとって、ほかの政治家とは別格の、重要な存在だったことも浮き彫りになっている。
ところが、山谷氏は8月3日、毎日新聞の取材に対して「(統一教会とは)私は関係ありません」と回答する始末。自民党がおこなった「点検」でも、統一教会との関係があった議員リストに、山谷氏の名前はなかった。
当然、ネットやメディアで疑義を呈する声が噴出。9月11日放送の『サンデーステーション』(テレビ朝日)では、ジャーナリストの鈴木エイト氏が、2005年に統一教会の友好団体が作成した資料において、こんな記述があることを指摘した。
〈第二次5カ年計画(基本計画)においてジェンダーという文言を使用させない。安倍晋三官房長官と山谷えり子内閣府政務官でチェックできるように関係省庁、議員に積極的に働きかける〉
しかも、この資料には、女性信者による「山谷えり子さんと相談して、いま戦いの中にいる」というメモも残されていると伝えた。
本サイトで繰り返し指摘してきたように、山谷氏は2005年、安倍氏が座長である「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」の事務局長を務め、ジェンダーフリー・バッシングの急先鋒にたち、国会においても第二次男女共同参画基本計画について、「次の5カ年計画にジェンダーという定義を入れるべきではない」と主張していた。そこにこんな資料が出てきたとすれば、山谷氏が統一教会系団体から何らかの働きかけを受けていたと疑われるのは当然だろう。
ところが、山谷氏は9月13日、ツイッターに〈2005年に旧統一協会の関連団体が作成したとされる「内部文書」と、同年3月に私が行った参議院予算委員会での質疑などをもとに、旧統一教会との関係性が疑われるとの報道がなされています。〉として、〈報道は事実に基づかない誤ったイメージを与えるもの〉と反論する文章をアップしたのだ。
だが、そのあと、山谷が「以下の点について明確にしておきます」と並べた主張は、なんの説得力もない代物だった。