「桜前夜祭」問題で辞職した安倍事務所の配川秘書が密かに復職疑惑
むしろ、公選法違反になることを理解しながら費用補填をおこない、さらには収支報告書に記載しないという違反行為まで働いたのは、安倍氏自身が前夜祭を開くことに固執し、違法性を認識しながらもGOサインを出したということではないのか。
現に、安倍氏は、首相在職中に国会で桜前夜祭の会費をめぐり「補填していない」「ホテルとの契約主体は参加者個人」「(ホテルを)何回も使って信用できる方と、いちげんの方とでは商売の上において違う」などと実に118回以上も虚偽答弁を繰り返し、会費を補填していた事実が明らかになっても「私が知らないなかでおこなわれていた」と強弁。国会で追及を受けているときも「事務所に幾度も確認」したにもかかわらず、事務所の秘書たちは嘘の説明を繰り返し、そのために虚偽答弁をしてしまったのだと主張してきた。つまり、安倍氏は“自分は配川氏ら秘書に騙されてきた被害者”だと強調したのだ。そして、その責任を取って、公設第1秘書である配川氏と東京の私設秘書2人は「辞職」した、と説明をおこなったのである。
ところが、配川氏が公設秘書を辞職してから半年も経たない2021年4月には、配川氏が安倍事務所に復職したと「しんぶん赤旗 日曜版」がスクープ。同紙ではスーツ姿の配川氏が分厚いファイルを片手に下関市の安倍晋三事務所に入っていく姿を写真に捉え、「配川氏が現在も安倍事務所で活動している」という複数の自民党関係者の証言を紹介。さらに、公設秘書辞職からわずか1カ月ほど経った2021年1月、配川氏が山口県内の会合に出席し「公設秘書から私設秘書になった」と周辺に説明していたことも報じた。
自分を騙し国会で118回も虚偽答弁をさせた張本人である秘書を、クビにもせずに秘書としてそのまま働かせる──。本サイトでは安倍氏が配川氏の「辞職」を発表した時点から「なぜ懲戒解雇でないのか」と指摘してきたが、解雇どころかそのまま私設秘書として復帰させていたとしたら、これこそが前夜祭の補填について安倍氏が把握していた、あるいは安倍氏の指示のもと補填がおこなわれたことの決定的な証明と言っていいだろう。
そもそも、安倍元首相の供述調書はいまだに開示されておらず、安倍元首相の関与について徹底追及がなされていないのが現状だ。118回も虚偽答弁をおこなったような人物がいまだに国会議員を辞職もせず、ロシアのウクライナ侵略に乗じて軍拡を叫んでいること自体が異常なのだが、そんな主張を繰り広げるより前に、政治の私物化と腐敗を象徴する「桜を見る会」前夜祭問題における安倍元首相の責任について、あらためて検証と追及が必要だ。
(編集部)
最終更新:2022.04.27 09:31