三浦瑠麗は「2月1日〜9日にピークアウトする」と楽観論を先導、死者急増を無視
しかも、グロテスクな言動をさらけ出している「オミクロンはたいしたことない」論者は、ほんこんだけではない。もうひとりが、国際政治学者の三浦瑠麗氏だ。
三浦氏といえば、1月29日深夜放送の『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)で「医者がワイドショーを観てコロナを怖がりすぎてる」「医者は自分ごとだと思ってない」などと嘲笑した挙げ句、医師である上昌広・NPO医療ガバナンス研究所理事長に「(医療現場に)立ってみられたらいい」と反論されると、「私、医者じゃないんで(笑)」と言い放ったことに非難の声があがったことも記憶に新しいが、最近はすっかり「ピークアウト芸人」と化している。
というのも、三浦氏は「チームCATs」なる有志グループでビッグデータ分析などに基づいた感染状況の予測モデルを開発。1月27日には〈東京都は来週ピークアウトする可能性が高く、緊急事態宣言の要請は踏み留まるべきです〉とツイートし、緊急事態宣言の要請に待ったをかけた。
このツイートには〈この人、いつから感染症の専門家になったの?〉〈感染症の専門家でも何でもないのに、無責任にも程がある〉〈えっと感染症の専門家でしたっけ?〉といった声が続出したが、一方、三浦氏は予測モデル研究チームの一員としてメディアにも積極的に露出。「第5波の予測もシークレットにやってて、ほぼ完璧に当たってるんですよ」(TBS『サンデー・ジャポン』2月6日放送)と後出しアピールし、「2月1日〜9日にピークアウトする」という予測を発信してきた。
たしかに、東京都の新規感染者数は前週比で減少しつつあるが、検査がまったく追いついていない状態では何の判断もできない。だが、それ以前に、死亡者数が過去最多を更新し、大阪などが医療崩壊状態に陥っている現状のなかで、いまピークアウトしているのかどうかを論じることは、現状の矮小化にほかならない。むしろ、「コロナ怖がりすぎ」「もうすぐピークアウトする」などと喧伝し、感染拡大を食い止める策を講じることをせせら笑って経済優先を主張してきたことが、現在の検査不足や医療崩壊、死亡者急増という最悪の事態を招いたのではないか。だが、三浦氏はピークアウト予測を声高に叫ぶことによって、本来なら守れたかもしれない人命が失われている現実を無視し、いまだにコロナを軽視しつづけているのだ。
しかも、ほんこんや三浦氏といった「オミクロンはたいしたことない」論者は、すぐに「ワイドショーが煽りすぎだ」と批判するが、実際にはワイドショーをはじめとするテレビの報道は死亡者数が過去最多を更新しても北京冬季五輪の話題ばかりで、むしろ伝えられるべき情報が伝えられていない状態だ。さらに、ほんこんや木村盛世氏、高橋洋一氏らが出演する『教えて!NEWSライブ 正義のミカタ』(朝日放送)では、2月5日放送回でも“コロナは普通の風邪”などという主張がおこなわれているような状況なのだ。
この放送のなかで、ほんこんは「専門家以外がテレビで煽ってる」「専門家以外はいらんこと言わんほうがええわ」と口にしていたが、それこそ、ほんこんや三浦氏といった専門外の人間がメディアでコロナを矮小化することこそが害悪だと言っておきたい。
(編集部)
最終更新:2022.02.12 11:01