感染者数が急増したら「死者数言え」、死者数が増えたら「年齢言え」…ほんこんはコロナを矮小化したいだけ
そもそも、ほんこんといえば、菅義偉・前首相が内閣官房参与として重用した高橋洋一氏と昵懇の仲で、高橋氏が昨年5月にコロナによる死者が1万人を超えていたにもかかわらず〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉とツイートして問題になった際も高橋氏を擁護。さらに、高橋氏と同様に番組共演者であり、「ワクチンも治療薬もできたなかでは感染を無理に止めない(でいい)」「(オミクロン株は)あきらかに風邪のウイルスに近づいている」などとコロナを矮小化する発言を連発している木村盛世氏に絶大な信頼を置き、ほんこんもコロナを軽視する発言を繰り返してきた。
しかも、ほんこんは、第6波で感染者数が急増していた1月13日には〈従来のインフルエンザと見分けがつかない 5類でええやん 騒ぐワイドショー 何を目指しているのか 何年繰り返すねん〉〈もうええでこの専門家 死者数は言わない 重症化にならんから死者は出ないのでは〉などと投稿。つまり、死亡者が出ていないことを根拠にワイドショーは騒ぎすぎだと批判していた。ところが、死亡者が増え始めると、今度は “高齢者だから仕方がない”と言わんばかりの主張をはじめたのである。
だが、これが「オミクロンはたいしたことない」論者の本音なのだろう。実際、大阪府がクラスターが起きた高齢者施設などを往診し、抗体治療薬などの治療を提供した医療機関に協力金を出すという方針を伝えた夕刊フジの記事のなかで、木村氏は「日本の平均寿命が80代ということもあり、80代の重症者や死者を減少させることは不可能に近い。協力金を出しても医療機関の逼迫を招くだけではないか。高齢者施設や家族らの間で、感染したときにどう対応するかをしっかり話し合っておくことの方が重要だろう」などとコメントしているのだ。
言わずもがな、いまコロナに感染して亡くなっている多くの高齢者は、たまたま寿命がきて死亡したのではなく、コロナに感染したことによって持病が悪化したり、発熱や食欲不振などで衰弱するなど、コロナが引き金になっているのだ。にもかかわらず、「80代の重症者や死者を減少させることは不可能に近い」「協力金を出しても医療機関の逼迫を招くだけ」とコロナ治療の実施を否定し、挙げ句、「感染したときにどう対応するかをしっかり話し合っておくことの方が重要」などと暗に死を受け入れる覚悟を迫っているのだ。
これは2020年に大阪府の吉村洋文知事が「命の選別」発言をおこなったこととも通じる。ようするに、ほんこんや木村氏なども含めて、「オミクロンはたいしたことない」論者の思想的バックボーンになっているのは、“生産性の低い高齢者は早く死んだほうがいい”という、新自由主義=維新的な優生思想だということなのだろう。