「週刊新潮」が報じた茂木のセクハラ 平成研究会の懇親会で女性記者に…
そうした茂木氏のパワハラ気質が剥き出しになったのが、昨年2月19日の衆院予算委員会だ。この日の予算委では黒川弘務・東京高検検事長の定年延長問題について、安倍晋三首相の発言との辻褄合わせのために国会答弁を撤回・修正した人事院の松尾恵美子・給与局長(その後、事務総長に昇格)が山尾志桜里衆院議員から追及を受けていたのだが、松尾局長が答弁に立っていた際、後ろの閣僚席に座っていた茂木氏がまるで鬼監督のような表情で口元を左手で隠しながら何やら指示。茂木氏はこのとき手で払いのけるような動きをしており、中継動画の音声には「帰れ、帰れ」という声が入っていた。
茂木氏は安倍元首相と同様に国会審議中にヤジをしょっちゅう飛ばすことでも有名だが、答弁に立つ官僚に厳しい口調で指示を出すその様子は、国会軽視であると同時にパワハラそのものだった。
実際、茂木氏は以前から「人望がない」「下の者に対する態度がきつい」という評判がたびたび報じられ、無名の当選2回新人議員時代の段階から「約5年で秘書が38人も辞めた」と週刊誌に書かれたほど。また、2017年には「週刊文春」(文藝春秋)で茂木氏の元秘書が「ある秘書は、会合で人の動員がうまくできなかったことで怒りを買い、便所で土下座をさせられたことがあるそうです」と証言していた。
だが、茂木氏にはこうしたパワハラ問題だけではなく、セクハラ疑惑まである。2016年に茂木氏が党三役に返り咲いて政調会長になった際に話題になったのは、茂木氏に張り付く番記者の16社中7社が女性であること。政治部記者は男性が大半であるため、この割合は異例であると「週刊新潮」が指摘したのだが、そんななかで茂木氏のこんな“セクハラ”が取り上げられていた。
それは、茂木氏の所属派閥・平成研究会の研修会の懇親会でのこと。茂木氏はゴシック体で「いぬのさんぽ」と書かれた薄い紙を女性記者に見せ、「裏返して読んでみて」と指示したという。これは何のことかというと、ゴシック体の「さ」の字は、裏返すと「ち」に読める。つまり、男性器名を大勢の人の前で女性記者に口にさせようとしたというのである。同記事ではほかにも、男女構わず記者にブランド自慢やワイン自慢、果ては手品と称して女性記者の手を握るなど、茂木氏のパワハラ&セクハラが次々に書かれていた。
金の問題のみならず、パワハラ・セクハラ常習疑惑まで──。岸田首相がこんな人望のない人物を幹事長に据えたのは、言うまでもなく安倍元首相の顔色を伺ってのこと。実際、茂木氏は麻生太郎・副総裁だけではなく安倍元首相とも近く、今年5月に「ポスト菅」候補について訊かれた際には、岸田氏や加藤勝信氏らより先に茂木氏の名前を挙げ、「誰もが手腕を評価している」と述べていた。ようするに、甘利氏から顔がすげ替えられただけで、茂木幹事長に代わっても安倍元首相が強い影響力を持つことは間違いない。
自浄作用もなく、腐りつづけたままの自民党。だが、自民党にはDappi問題を筆頭に、説明が求められている数々の問題がある。茂木氏の幹事長就任の会見では、本人の使途不明金や公選法違反疑惑と合わせ、ぜひメディアにはDappi問題の追及もおこなってもらいたい。
(編集部)
最終更新:2021.11.02 10:31