「足立ファン」「YouTubeで観て溜飲を下げた」という吉村知事のネトウヨ性
吉村知事についていえば、もっと呆れたのが、衆院選に立候補している“維新の暴言王”足立康史・前衆院議員(大阪9区)と一緒になって、野党に対してデマ攻撃まで仕掛けていたことだ。
周知のように、足立氏は維新のなかでもとりわけ極右色が強く、国会議員でありながらSNSで「朝日新聞、死ね」だの「立民は北朝鮮の工作員」だの暴言やデマを連発・拡散してきた。国会でも数々のデマや暴言を吐き6回も懲罰動議にかけられている。
ところが、吉村知事はその足立氏の議員活動報告の冊子「あだち康史通信」で同議員と対談。のっけからその暴言を、こう煽っていた。
「最近の足立さん、妙におとなしく感じるけど大丈夫なの?」
「最近は「国会の暴言王」とか「維新のトランプ」とか聞かなくなったから、隠れ足立ファンとしては嬉しいような寂しいような(笑)」
さらに、足立氏が懲罰動議にかけられたことまで、こう持ち上げていた。
「ある意味で、本音で戦う政治家の勲章みたいなものだよね」
「無責任な野党に一切与することなく、言論の力で正論を訴え続けていた足立さんの姿をテレビやYouTubeで観て、何度溜飲を下げたことか!」
足立氏の度重なる懲罰動議については、当の維新も、足立氏の国会でのデマ発言や暴言を問題視し、しばらく謹慎させ国会質問に立たせないという対応をとっていたはずだが、吉村知事は「勲章」だと認識しているらしい。
あげくに「足立ファン」「YouTubeで観て溜飲を下げた」って。吉村知事は、組織的不正の発覚した愛知県知事リコール問題でも、高須クリニック・高須克弥院長に公然と肩入れていたが、実は根っからのネトウヨなんじゃないか。
しかし、これはあくまで序の口。対談では、吉村知事のヨイショに気を良くしたのか、足立氏がデマだらけの野党ディスを開始。いきなり飛び出したのがこんな発言だった。
「「ひるおび!」で八代英輝弁護士が「共産党は暴力革命を捨てていない」という趣旨の発言をしました。共産党は猛抗議しましたが、同じ内容が私の質疑や閣議決定で明らかになっていたので、撤回する必要がありませんでした」
八代弁護士の共産党に対するデマ攻撃については、発言当時から足立氏、松井市長、音喜多駿・参院議員らが便乗していたが、八代弁護士の発言は完全なデマだ。八代弁護士の発言は、「共産党は暴力的な革命を党の要綱(綱領)として廃止してない」というものだったが、日本共産党の綱領にそのような記述はない。また八代弁護士が1度目の謝罪で言い訳に使い、足立氏らも持ち出している閣議決定も、詳細は既報を読んでいただきたいが、自民党政権の政治的意図に乗っかっただけの、なんの客観的根拠もないデタラメのものだ。