番組HPより
コロナ感染拡大と医療崩壊が深刻化するなか、テレビは相変わらず東京五輪一色で大はしゃぎを繰り広げている。
そんななか、『バイキングMORE』(フジテレビ)にMCの坂上忍が帰ってきた。
既報のとおり、坂上は『バイキング』で開催直前まで五輪開催を批判し再延期を訴え、「五輪選手の活躍を伝えて、次のコーナーでコロナの死者を伝えるなんてできない」と繰り返していた。
ただし、開会式が行われた7月23日の放送を最後に、坂上は先週は夏休みで番組に不在、今週も2日と3日は五輪中継で番組じたいが休止。この間、開会式までは五輪について批判的に報じていた『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)までもが、開催と同時に五輪一色に染まってしまったようなメディア状況だ。久々に『バイキング』に登場した坂上は、コロナと五輪をどう報じるのか。
そう思って注目していたのだが、結論から言うと、その姿勢はまったくブレていなかった。
坂上が復帰した4日の『バイキング』は、番組冒頭から1時間以上にわたってコロナを特集し政府のコロナ対応を批判、五輪情報は4分ほどのダイジェストVTRが流されただけでスタジオトークもなし。コロナを申し訳程度にしか報じない、ほかのワイドショーとは真逆の番組構成だった。
とりわけ坂上は、政府や都のコロナ対応を厳しく批判した。
「菅総理がずっと繰り返していた安全・安心なオリパラ開催っていうのは、僕は、ある意味、医療従事者の方々がお仕事をする合間にテレビを付けるなりして、応援する物理的な時間と、あとは応援する気持ちになるっていうその状態がある意味、安全・安心なオリパラ開催。もはや、この状況でどうしてくれるんだ?っていう気持ちしか僕にはない」
「僕がすごく許せないことは、菅総理も小池都知事もオリパラに直接的な原因がないからといって、でも、間接的な要因であることは間違いないはずなんです。なんだけれど、いまの感染爆発状況とオリパラをまったく結びつけようとしない。あの誠意のない答え方をいつまで続けるんだって。一番腹立たしい」
感染拡大を報じても五輪の影響については触れない番組がほとんどのなか、坂上は、五輪開催が感染を拡大させているとして、厳しく批判したのだ。
5日も同じく、コロナ問題を1時間以上特集し、五輪の競技情報は5分足らずのVTRだけでスタジオトークなし。五輪選手に対する誹謗中傷問題についても議論したが、坂上はコロナ下での開催強行がこうした誹謗中傷に拍車をかけているとも指摘していた。
先週、五輪の開催とともに夏休みに入ったため、一部では「逃げた」などとも揶揄されていた坂上だが、五輪反対の意思は固かったようだ。