濃厚接触者との対戦を事実上、強制しながら、それをひた隠しにする組織委の姑息
先にも述べたが、濃厚接触者の場合は、競技開始6時間以内のPCR検査で陰性であっても、感染していたり、その後に陽性になる可能性はけっして低くはない。そして、もしその濃厚接触者の選手が感染していたら、レスリング、ラグビー、ボクシング、空手など選手同士が密接に接触する競技では、対戦した選手に感染させる可能性が非常に高い。
また、選手たちは競技を終えると、その足で母国に帰ることになる。これは世界中に感染を広げることになりかねない。
しかし、日本政府も組織委もそんなことはどうでもいいのだろう。連中の頭の中にあるのは、感染を広げようが何しようが、とにかく競技を強行して、オリンピックをやったという体裁を整えることだけなのだ。
しかも、姑息なことに、連中は国民の反発を避けるために「濃厚接触者との競技強制、拒否したら失格」を明記しないで、持って回った言い方でごまかしている。
オリンピックが欺瞞に満ちていることはいまに始まったことではないが、東京五輪はその歴史のなかでももっとも嘘とインチキに満ちた、選手軽視の大会と言わざるをえない。
(田部祥太)
最終更新:2021.07.27 12:11