柔道女子銀メダリストが語った濃厚接触者との試合を拒否できない実態! 内閣官房の文書にも
溝口氏が明かした「濃厚接触者との対戦を拒否したら、拒否したほうが負けになる」というルール。これには松原耕二キャスターも「拒否されたほうが不戦敗じゃなくて、拒否したら負けなんですか?」「濃厚接触者が相手にいてもやらなければならないというルールになってるんですか」と驚きを隠せなかった。
しかし、溝口氏は「そういった見解で、もう覚悟するように、と(言われている)」「それでも同意してやると聞いています」と説明。「どんどん濃厚接触者が増えていくと思いますよ」と警告していた。
もっとも、組織委はこのルールをプレイブックに明記していないし、公表もしていない。『報道1930』でも、翌22日の放送では、番組側が溝口氏の解説について取材したものの確認がとれなかったと報告していた。
だが、溝口氏の指摘は事実だった。しんぶん赤旗が政府文書を入手し、25日付の記事で「濃厚接触者となった選手との対戦を拒否できない仕組みになっている」と報じたのだ。
赤旗が入手したのは、内閣官房が出したメールで、五輪会場や合宿地になっている自治体から出された質問に対して組織委や内閣官房が回答するというかたちになっている。
そのなかで、複数の自治体から出た「濃厚接触者との競技に同意しない選手がいた場合は、競技はどうなりますか? 濃厚接触者は不戦敗?」という質問に対して、組織委がこう答えているのだ。
〈プレイブックにおいては、一定の条件の下、濃厚接触者の競技参加は可能である旨明記されており、(プレイブックが)同意が(五輪の)参加条件となっているので、同意しない選手はいないものと考えています。〉
不戦敗になるかどうかという質問に直接的には答えていないが、“プレイブックに同意しているのだから、そんな選手はいない”というのは、選手は相手が濃厚接触者であっても、絶対に試合をしなければいけない、拒否したら失格・棄権ということと同じだ。
実際、日本共産党の山添拓・参院議員は昨日、内閣官房のオリパラ事務局に確認した結果を、こうツイートした。
〈政府のオリパラ事務局に確認すると、やはりプレーブックに同意すると相手が濃厚接触者でも対戦を拒めない、最終的には本人の意思と大会運営側の判断だが、拒んだ場合には拒んだ方が棄権扱いになるのがプレーブック上の扱いという回答。リスクを広げて、どこが「安全安心」か。〉