テレビがDHCの差別を一切批判しないのは、広告スポンサー料に目が眩んでいるから
小田嶋氏の指摘するとおり、吉田会長やDHCがどんなひどい韓国ヘイトや歴史修正主義を口にしても、マスコミがなんの追及もしないのは、DHCが大きなスポンサーで自分たちにお金を落としてくれる存在だからだ。
マスコミは、DHCがくれる莫大な広告料に目がくらんで、問題じたいをなかったことにし続けてきたのだ。
実際、吉田会長は2016年に「DHC会長メッセージ」のなかで在日コリアンにかんするデマを書き立てた上で〈似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう〉などとヘイトスピーチを堂々と掲載した(詳しくはhttps://lite-ra.com/2017/01/post-2865.html)が、このときもテレビや新聞は批判どころか、その話題じたいを取り上げることもなく、DHCの広告やCMを流し続けた。
同じような構図は、DHC以外のヘイト企業でも起きている。
今回のNHK『おはよう日本』が在日コリアンのパート社員に対してレイシャルハラスメントを行った問題を取り上げたフジ住宅。創業者が「南京大虐殺はなかった」などと歴史修正主義を撒き散らしているアパホテル。院長がTwitterでホロコーストを否定したり「チョン」などという差別語を平気で口にしたりネトウヨ発言を連発する高須クリニック。こうした差別企業や経営者は一方で、CMを大量出稿し、マスコミに巨額の広告料をバラマキ続けているため、マスコミからまったく追及を受けないどころか、ワイドショーなどで「名物経営者」「注目企業」として好意的に取り上げられることすらある。
ようするに、日本のマスコミがきちんと批判しないため、こうした企業がどんなヒドい差別発言をしても、本格的に責任を追及されず、「ネット上のちょっとした騒ぎ」で終わってしまう、ということが繰り返されているのだ。
その結果、彼らは今回の吉田会長のように、自分たちを正当化し、さらにヘイトをエスカレートさせているのである。
そういう意味では、DHC・吉田会長による一連のヘイトデマ、差別的妄想は、広告料に目が眩んで批判を放棄したマスコミにも責任があるといっていいだろう。
これは、昨年12月のサントリーCM出演者に対するヘイトデマ攻撃のときにもいったことだが、メディアは単なる営利企業ではなく報道機関として、より高い倫理が求められる。広告料に目がくらんで差別をスルーすることは、ヘイト企業にお墨付きを与え、差別に加担することとイコールだ。そのことをマスコミにわからせるためにも、DHC吉田会長の差別発言問題をこのまま終わらせてはならない。
とくに「幹部・アナウンサー・社員のほとんどがコリアン系」「出演者についても、学者・芸能人・スポーツ選手の多くがコリアン系」と差別デマ攻撃を受けた当事者であるNHKは、差別をなくすためにも、法的措置を含めた毅然とした対応をすべきだろう。
(編集部)
最終更新:2021.04.11 01:01