フジは14日の会食をニュース番組で批判的に報道していたのに、自社のトップが…
いや、問題はそれだけではい。この会食に同席していたのが、フジテレビの宮内正喜会長と遠藤龍之介社長だったということだ。
安倍晋三・前首相はフジテレビグループのドンといわれる日枝久・取締役相談役とゴルフや会食を繰り返してきたが、菅首相も同じようにフジ幹部と仲良く会食とは──。こうしてメディア懐柔をおこなって、菅首相もフジテレビを御用化させていくという目論見なのだろう。
しかし、これは言うまでもなく、フジテレビも同罪だ。
実際、フジテレビはこの会食がおこなわれる前に放送された夕方のニュース番組『newsイット!』で、王監督やみのもんた、二階幹事長らとの「高級ステーキ“忘年会”」について、「菅首相の行動が物議を醸している」「(会食メンバーは)重症化リスクが高いとされる65歳以上の高齢者ばかり」などと報道していた。
そんな報道をおこなった日に、よりにもよって同じく「高級ステーキ」の店で、76歳の宮内会長と64歳の遠藤社長の2トップが雁首を揃えて、渦中の菅首相と会食する……。時の権力者と会食すること自体が報道倫理もへったくれもないが、コロナの感染拡大が深刻化するなか批判を浴びている会食をおこなうとは、報道機関としてあるまじき行動だ。
西村康稔・経済再生担当相は、菅首相の会食問題について、本日おこなわれた衆院内閣委員会の閉会中審査で「一律に5人以上はダメだと申しあげているわけではない」などと答弁。菅首相の行動を正当化するために、政府が挙げたルールが捻じ曲げられていくという国民をバカにしきったご都合主義がまかり通りつつある。だが、報道機関としての自覚もないメディアに、それを正しく批判することなどできるわけがない。菅首相もメディアも、揃いも揃って腐りきっているとしか言いようがないだろう。
(編集部)
最終更新:2020.12.16 09:41