橋下時代から医師・看護師を大幅に削減してきた大阪 そのツケが…
しかも、これは単なるツイート上のパフォーマンスなどではなかった。橋下氏は大阪府知事、市長時代に、医療福祉を切り捨て。公立病院や保健所を削減したほか、医師・看護師などの病院職員、そして保健所など衛生行政にかかわる職員を大幅に削減してきた。もちろんこうした医療福祉の削減は大阪に限ったことではなく、小泉純一郎・竹中平蔵の新自由主義路線により日本全体で起きていることではあるが、それでも大阪の削減ぶりは突出している。
また、2018年4月には、関西最大の看護専門学校で、公立病院や公的病院に多くの人材を輩出してきた「大阪府医師会看護専門学校」が2019年度募集をもって閉校することが発表されているが、この専門学校を運営していた府医師会によればこれも〈大阪府・大阪市の財政再建を名目に、一方的に補助金が打ち切られた〉ことが主要因だったという(「府医ニュース」2018年4月4日)。
さらに、住吉市民病院を廃止し跡地に民間病院を誘致するとしていたが、誘致に失敗。医療空白を生み出してしまったのも有名な話だ。
2017年には府立病院機構の大阪母子医療センターが新生児を搬送する専用の保育器の購入資金をクラウドファンディングで募った問題など、維新政治による大阪の公的医療体制の脆弱化はこれまでも度々危惧されてきた。平時ですらギリギリの状態なのに、非常時に対応できるはずがない。
現在、大阪では、医師や看護師、保健所の人手不足など脆弱な検査・医療体制が、感染を拡大させ、さらに医療現場を逼迫させるという悪循環に陥っているが、この状況は維新政治が医療を削りに削った結果、必然的に起きている事態なのだ。