森裕子議員から利益相反を追及され「言論封殺」と逆ギレした竹中平蔵
さらに、森議員が「利益相反と言われるような立場のまま政府の重要な会議のメンバーになっているんですか?」と畳み掛けると、竹中氏は口角泡を飛ばして、こうまくし立てたのである。
「森さん、森さん、私はそういうことで利益相反になるようなことを何かしましたか?」
「たとえば私がそれで特別に仕入れたことによって何か特別の利益をどっかにもたらしたとか、何もないでしょ? ないのにね、そんなね」
しかも竹中氏は、森議員が「コンセッション事業を請け負っている民間企業の取締役として(政府の会議に)出席していること自体が、利益相反にあたるんじゃないんですかと申し上げているんです」と反論しているのに、それも聞かずに話つづけて自身の主張をやめようとはせず、このように言い放ったのである。
「国権の最高機関である国会議員が、民間議員の言論を封じるようなことは言わないでください!」
利益相反の証拠も存在するというのに、血相を変えて「言論封殺だ!」と逆ギレする──。このように竹中氏は安倍晋三・前首相とも相通ずる幼稚さをあらわにしたわけだが、この醜態が映し出された動画がTwitter上で拡散されたこともあり、多くの人が「#竹中平蔵つまみ出せ」とハッシュタグをつけて投稿したのだ。
本サイトでは何度も指摘してきたように、竹中氏の利益相反行為はこの一件にとどまらない。たとえば、竹中氏は「国家戦略特区諮問会議」の民間議員を務めているが、国家戦略特区で神奈川県において実施を認めた家事支援外国人受入事業では、事業者に選ばれた企業のなかにはパソナがあった。また、同じく国家戦略特区に選ばれた兵庫県養父市では企業による農地の所有を認めるなどの規制緩和がおこなわれたが、そこにもオリックスが100%出資する子会社のオリックス農業が参入している。
ところが、竹中氏をめぐる利益相反の問題がこれだけ指摘され、さんざん批判を浴びているというのに、菅首相は竹中氏を「成長戦略会議」のメンバーに選び、自身のブレーンとして重用しているのである。「#竹中平蔵を政治から排除しよう」「#竹中平蔵つまみ出せ」と国民が怒るのも当然の話だ。