河井あんりTwitterより
夫である河井克行・元法相とともに、公選挙法違反の買収容疑で裁判中の河井案里・参院議員が保釈された。
8月25日に行われた案里被告の初公判では、予想通り、起訴内容を否認。2017年の参院選公示日前後に地元議員らに現金を供与したことはおおむね認めたものの、その金は「統一地方選に立候補した人への陣中見舞いや当選祝い」だったとして、「投票の取りまとめなどの選挙運動を依頼する趣旨で供与したものはない」と主張していた。
克行元法相は弁護人6人を全員解任し自身の裁判をストップさせたり(9月15日。その後、新たに5人を選任するがうち4人は一旦解任した弁護士を再選任し11月4日より裁判再開)、証人として出廷した案里議員の秘書に「なんで検事を見るんだよ」とヤジを飛ばしたり(9月4日)……とわずか1年足らず前に法務大臣だったとは思えない裁判妨害のような醜態をさらしている。
しかし、先行して単独で進められている案里議員の裁判では、買収を裏付ける証言が続々と出ている。
とくに、10月13日の裁判での、広島市議会の海徳裕志議員の証言は決定的とも言えるものだった。海徳議員は合計50万円を克行元法相から受け取ったことを認め、「当選7回のベテランで、首相補佐官を歴任している実力者で、断る勇気がなかった」などと証言したのだが、海徳議員は現金授受のやり取りを録音していたことも明かした。
そして、同日午後の審理で、急遽その音声データが公開されることに。克行元法相が「県連が何もやってくれないから大変ですよ。先生、助けてください。これ、気持ちですから」と述べる音声が法廷に流れた。これは、現金が陣中見舞いや当選祝いだったとする河井夫妻の主張と食い違い、案里被告の参院選への協力を求めるものであることを裏付けるものだ。
さらに海徳議員は「克行被告から『総理から言われた』と封筒に入った現金30万円を手渡された」と証言しているが、夫妻の買収を裏付ける決定的な証拠であり、河合夫妻の有罪は確定的と言っていいだろう。
しかし、この裁判で注目されていることがもうひとつある。それは、河井夫妻の買収に安倍前首相や官房長官だった菅義偉首相、自民党本部の関与がどこまで解明されるか、だ。