首相官邸HPより
本サイトがいち早く報じた菅首相と総理番記者による朝食付き「完全オフレコ懇談会」の開催(https://lite-ra.com/2020/09/post-5657.html)。結局、きょう3日朝7時30分から予定通り開催された。しかも、このオフ懇が開かれたのは「Eggs ’n Things原宿店」。
エッグスンシングスといえば、前参院議員でタリーズコーヒージャパンの創業者の松田公太氏が代表を務めるカジュアルレストランで、菅首相の好物パンケーキが有名なお店だ。
周知のように、いま、菅首相をめぐっては「学問の自由」を踏みにじる日本学術会議の人事介入に大きな非難が巻き起こっている。〈#日本学術会議への人事介入に抗議する〉というハッシュタグは20万ツイートを超え、官邸前では数百人規模のデモも行われた。
ところが、菅首相は昨日2日、記者団の問いかけに対し「法に基づいて適切に対応した結果」と言っただけで、なんの説明もしていない。記者会見の開催の要求にも応じていない。ところが、それでいて、このオフ懇だけは強行し、マスコミ各社の総理番記者たちとなかよくパンケーキをほおばったのである。
安倍政権時代と全く変わらない国民を舐めきった姿勢には言葉を失うが、しかしもっと暗澹とさせられるのは、そのオフ懇に参加したマスコミだ。
このオフ懇は本サイトが報道して以降、ネットで批判が広がっていたため、さすがにかなりの社が参加を拒否するのではないかと見られていたが、結局、現時点で拒否したことがわかっているのは朝日新聞と東京新聞、京都新聞の3社のみ。
ところが、ほとんどの社は、日本学術会議問題の追及もせず、記者会見の早期開催の要求もせず、朝食付き完全オフ懇に馳せ参じて、嬉々としていっしょにパンケーキを頬張ったのである。
いや、それどころか、マスコミは率先して情報隠蔽に加担していた。オフ懇の窓口である内閣記者会の幹事社は現在、NHKと西日本新聞だが、3日ほど前、その幹事社から以下のような内容のメールが、各社の総理番記者に届いたという。
〈ご報告です。 外部メディアから幹事社あてに、「総理と番記者の懇談が開かれるが事実か」と問い合わせがありました。幹事社で検討の上、「取材の過程にかかわることなので、懇談が開かれるかどうかについてはお答えできません」と回答することにしました。オフレコ取材である以上、外部に伝えるのは適当でないと考えるからです。
懇談ですが、会費制です。出席者で均等に折半していることを総理室で確認しています。一人2千円以内で検討しているとのことです。〉
これはようするに、内閣記者会が批判が高まったのを受けて、懇談そのものを国民の目から隠蔽しようとしたということだろう。
実際、当日、現地に取材に赴いたジャーナリストの田中龍作氏は、オフ懇のスタートが〈朝8時からが7時30分からに変更され、場所も直前まで伏せられた。〉とツイートしていた。