杉田水脈の差別発言は撤回なし、松川るいの黒人差別抗議は謝罪、という自民党の差別体質
まともな政党なら、国会議員が人権を尊重し、こうした訴えをおこなうことは、当たり前の話。しかし、自民党支持者たちは「国会議員にあるまじき」とか「自民党を出て行け」と叫び、百田氏は「自民党は注意しないのか」と処分を促すような恫喝までしてみせたのだ。
すると松川議員は、百田氏の投稿の約1時間半後の13時30分に、今度は自身の反差別ツイートについて、今度はこんな投稿をしたのだ。
〈下記Twitterについて。殆どの警官の皆様は命懸けで市民を守っています。それにもかかわらず、軽率なコメントをしてしまったことを関係者の方々に心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。〉
大坂なおみ選手の反差別メッセージを賞賛し、アメリカ警察の黒人差別に抗議したことを「軽率なコメント」などと謝罪し、元のツイートも削除してしまったのである。
ツイート削除と謝罪が、百田やネトウヨ支持者たちに咎められたせいなのか、あるいは百田のツイートがきっかけで党関係者から実際に何らかの注意があったためなのかはわからないが、いずれにしても異常だろう。
言っておくが、自民党は2018年に杉田水脈衆院議員が性的マイノリティに対して「生産性がない」などと差別発言をしたことに対し「指導」で済ませ、杉田議員はいまだに発言を撤回していない。
にもかかわらず、今回の松川議員の差別反対のメッセージを支持するツイートは、削除・謝罪に追い込まれる。自民党が、正真正銘の差別主義政党になり下がっていることが、あらためて証明されたと言っていいだろう。
朝鮮学校の無償化除外、前述の杉田水脈議員をはじめとする国会議員や閣僚の度重なる差別発言、厚労官僚が韓国の空港で「I hate Korea」と叫んだ事件、蓮舫参院議員への国籍攻撃……。安倍政権の7年8カ月で、この国の差別体質はどんどんむき出しになっている。相模原障害者殺傷事件という凄惨なヘイトクライムまで生み出したが、「障害者への差別を絶対に許さない」といった当然出されるべき非難声明を出さないまま安倍首相は辞職した。
安倍政権は終わっても、自民党というヘイト政党が与党に居座り、ネトウヨ支持者との相互に差別を後押しし続けることはまったく変わらない。こんな差別政党は一刻も早く、撲滅しなくてはならない。
(編集部)
最終更新:2020.09.18 11:07