『潜入ルポamazon帝国』
国際政治学者・三浦瑠麗氏のアマゾンプライムビデオのCM出演は、ネットで批判の声が高まりアマプラ解約運動に発展。アマゾンプライムビデオのYouTubeの公式チャンネルから三浦氏のCM動画が削除される事態となった。
しかし、アマゾンのCM ではもうひとつ気になるものがある。それは例のアマゾンの巨大物流センターで働く人たちの姿を伝える「Amazonではたらくということ」シリーズだ。CMでは、メンテナンスチームのマネージャーをつとめる男性と、入荷担当の補助をやっている77歳の男性が登場。2人が働いている姿を映した映像とインタビュー音声が流れる。
メンテナンスチームマネージャーは「娘はAmazonがパパの働いてくれる会社だということで誇りに思ってくれている」とほっこりするエピソードを披露、「Amazonでは自分自身の成長とチームメンバーの成長過程を一緒に見られるので、私は非常に楽しく会社生活を送っています」と胸を張り、77 歳の男性は若いスタッフたちとなかよく談笑しながら、「私がこの年齢で現在社会の一員として貢献しているように思います」「Amazonのおかげで毎日が充実しています」とインタビューに答える。
いずれも楽しそうでアットホームな職場というイメージがするCMだが、しかし、これに「本当か」というツッコミの声があがっているのだ。
というのも、アマゾンの物流センターの仕事といえば、私語は一切禁じられ、秒単位で管理され、機械のように働かされることで有名だからだ。
ユニクロにアルバイトとして1年にわたり潜入取材してそのブラック労働をレポートしたジャーナリストの横田増生氏も2度にわたってAmazonの物流センターに潜入。その異様な労働実態をレポートしている。
本サイトでは、2019年10月、2度目のアマゾン潜入後、『潜入ルポamazon帝国』(小学館)を上梓した横田氏にインタビュー。以前にも増して非人間的になっていたアマゾンの労働現場の生の話を聞いた。
この記事を再録するので、いま、流されているアマゾンのCM とのギャップをぜひ感じ取ってほしい。
(編集部)
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2年前、大きな反響を呼んだ『ユニクロ潜入一年』(文藝春秋)。同書はジャーナリストの横田増生氏が巨大アパレル企業「ユニクロ」にアルバイトとして1年にわたり潜入し、その過酷な労働状況、ブラックな企業体質をあぶり出した渾身のルポだった。しかも、前著『ユニクロ帝国の光と影』(文藝春秋)を巡って、ユニクロに2億円を超す巨額訴訟を起こされても全く怯むことなく、法廷闘争の末に全面勝訴した後で、潜入取材を敢行している。
まさに体を張ったジャーナリストのお手本のような人物だが、その横田氏が今度は世界的流通企業アマゾンに潜入、『潜入ルポamazon帝国』(小学館)を上梓した。
実は横田氏は、今から15年前にもアマゾンの物流センターに半年に渡りアルバイトとして入り、その体験をもとに『アマゾン・ドット・コムの光と影』(情報センター出版局 文庫時に『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』に改題)を出版している。
前著でも、当時のアマゾンの雇用への姿勢、日本が直面する格差問題、そして旧来の出版流通や再販制度など、多くの問題があぶり出されていたが、再びアマゾンに潜入したというわけだ。この15年間でアマゾンに何が起こり、そして何が変わったのか。そしてアマゾンの実態とは。再びアマゾンに挑んだジャーナリストの横田氏に直撃インタビューした。