田崎史郎は報道の前の週に「官邸のある方」から“連絡取れない陽性者”問題を聞かされていた
つまり、田崎氏の話がたしかならば、確認が取れない陽性者がいることを前々から把握していたにもかかわらず、それを官邸は黙って見ていた、ということになる。しかも、前述したように、この問題を読売が報じたのは小池都知事が「国の問題」と批判した翌日のことだ。これはようするに、安倍官邸が「東京問題」であることを強調するために、読売に情報をリークしたのではないか。
新型コロナ対応は国が陣頭指揮をとり、とりわけ人口が集中している首都・東京の感染拡大封じ込めと医療提供体制の整備は、国も総力をあげておこなわなければならないものであることは当然だ。それを「東京問題」などと国の責任から切り離して対応しようとすること自体が異常事態なのだが、まさか、そのためにメディアを使った扇動行為までおこなっていたとしたら、もはや安倍官邸のコロナ対応は手の施しようもないほどとち狂っているとしか言いようがない。
そして、こうして安倍政権が責任を東京に押し付け、メディアが「菅vs小池」などと矮小化して報じているあいだにも、東京では医療提供体制が逼迫し、感染は国内にどんどん広がっていっている。このままでは、感染が拡大した前回以上の惨劇が繰り広げられることは間違いないだろう。
(編集部)
最終更新:2020.07.19 07:54