大坂なおみ選手も「ARMYたちは史上最高に偉大で恐るべきファンダム」と賞賛
こうした多様な背景もあってか、一連のK-POPアーティストも巻き込んだムーブメントをおこなうまえから、そもそも多くのBTSファンたちはそれぞれにジョージ・フロイドさん殺害そして黒人差別に抗議の声を上げていた。
今回、「BLACK LIVES MATTER」に対して、「ALL LIVES MATTER」とか「じゃあ、アジア系は?」「ヒスパニックは?」などという論点ずらしの反論をする輩が日米問わずたくさんいた。そうした分断を図るような論点ずらしに対し、多様な背景を持つK-POPファンが分断を超えBLMを支持するという姿勢を示したことの意味は大きいだろう。
もうひとつ感心させられたのは、BTS人気そのものがグローバルになっているだけにとどまらず、K-POPのファンダム文化もまた世界中のファンの間で共有されているということだ。
なぜか日本ではほとんど報じられたことがないのだが大のBTSファンであるテニスの大坂なおみ選手も、BTSファン=ARMYが1億円の寄付を達成した際、ARMYたちをこう讃えていた。
〈BTSが100万ドルの寄付をして、ARMYたちが「#MatchAMillon」をトレンドにしたこと、これがまさにARMYたちが史上最高に偉大で恐るべきファンダムである理由です。〉(Bts donating 1mil to BLM and ARMY trending #MatchAMillon is exactly why they’re the greatest and feared fandom of all time.)(6月8日)
「ファンダム」と呼ばれる熱心なファンの存在感やコミュニティの連帯感、影響力の大きさは、とりわけK-POPでよく見られ、数々のK-POPアーティストたちを支えてきたことは日本でも有名だ。
こうしたファンダム文化のなかでも、BTSを支えるファンであるARMYはとくに連帯が強いといわれている。SMエンターテインメント、YG エンターテインメント、JYPエンターテインメントといった大手芸能事務所ではなく、Big Hitエンターテインメントという新興の事務所から生まれたBTSが、現在のグローバルスターたるポジションにまで至ったのは、最強のファンダムであるARMYの存在も大きい。
ARMYはたんに、BTSの活動を支えるだけでなく、その表現をブラッシュアップする役割も果たしてきた。BTSの向かう方向性にARMYが疑問を感じたときは遠慮なくその不満をぶつけ、そういったファンの行動がBTSの動きを変えてきたのだ。