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ビリー・アイリッシュの言葉を日本のネトウヨや中立厨に聞かせたい! 黒人差別抗議デモを攻撃する「ALL LIVES MATTER」を完全論破

日本のネトウヨたちが口にする「日本人差別」「女尊男卑」と「ALL LIVES MATTER」の共通性

 そのうえで、あらためて「BLACK LIVES MATTER(黒人の命は大切)」というスローガンと抗議デモの意義を、こう訴える。

〈白人の特権は、ヒスパニックの人やネイティブアメリカンやアジア系の人も抑圧してるかって? もちろん100000000000000%してる。
 だけど、いまこの瞬間は、黒人の人たちが何百年に渡って強いられてきた抑圧について語らなければけない。「#blacklivesmatter」のスローガンは、黒人以外の人種の命が大切じゃないって意味じゃない。社会が黒人の命を大事にしていないという明らかな事実に、声をあげてるんだよ!〉

 そして、最後に「BLACK LIVES MATTER」と3回繰り返し、〈#justiceforgeorgefloyd(ジョージ・フロイドのために正義を)〉と締めくくった。

どうだろう。読めば読むほど、ビリー・アイリッシュの差別の構造と本質に対する深い理解に感心させられるではないか。しかも、差別主義者たちの欺瞞を完全に見抜いた「ALL LIVES MATTER」批判は、冒頭でも指摘したように、そのまま、日本の差別主義者やネトウヨに聞かせたい言葉ばかりだ。

実際、「ALL LIVES MATTER(すべての人の命が大切)」という言葉は、日本のネトウヨたちがよく言う「日本人差別」とか「女尊男卑」にそっくりだ。

 実際には、日本人がマジョリティである日本社会において、在日コリアンが著しい不利益や抑圧を受け、日本人は日本人であるだけで「特権」を与えられている状態にもかかわらず、在日の人たちのほうを「在日特権」などとデマ攻撃するネトウヨ。女性差別に抗議の声をあげると「女尊男卑」とか「男性差別」などと抜かし、在日差別や外国人差別を批判すると「日本人差別」などと言い出す。

 日本人というだけで、男性というだけで、自分が構造的に与えられている恩恵や弱者が構造的に被っている不利益を完全に無視して、「そっちこそ差別」だなどと言い募る。

 つい最近もなんの罪もないクルド人が渋谷署の警察官に暴行を受けるという事件があったが、これに対して「日本人でも職質を受ける」「職質断ったら、日本人でも同じことをされる」といった論点ずらしの反論が吹き出てきている。

 いや、ネトウヨだけではない。日本では、こうした差別主義者の詐術に引きずられて、マスコミやネット全体が差別問題に抗議の声があがってきにくく、「どっちもどっち」論が跋扈している。さらには、抗議の声に対して「言い方が悪い」などとやはり論点をずらそうとするトーンポリシングが横行する始末だ。

しかしそれは、ビリー・アイリッシュの言うように、日本人というだけで特権を与えられていること、日本人ではないというだけで在日や外国人の人が被っている被害や不利益に、あまりに無自覚なだけなのだ。

わたしたちはアメリカの黒人差別の抗議デモに連帯するとともに、安倍政権下で跋扈する日本社会の差別に目を向けなければならない。そして、悪質な詐術に対してビリー・アイリッシュのように「マジで黙れ!」と叫ぶ必要がある。

最終更新:2020.06.03 12:54

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