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ビリー・アイリッシュの言葉を日本のネトウヨや中立厨に聞かせたい! 黒人差別抗議デモを攻撃する「ALL LIVES MATTER」を完全論破

白人の武装デモは支持し黒人が差別に抗議するとチンピラ呼ばわりするトランプ大統領

 そして、一人ひとりの白人個人が抱える困難と、黒人全体が置かれている困難な状況とはまったく異なるということを、ビリー・アイリッシュは訴える。

〈あなたが望む望まないに関わらず、あなたは白人であるっていうだけで社会から特権を与えられている。白人の人だって貧しいかもしれないし、苦労しているかもしれない。そうだとしても、あなたの肌の色はあなた自身が自覚しているより、ずっと大きな特権を与えている(それはあなたが他の人よりも優れているって意味ではないよ)。ただ、白人は肌の色のおかげで、生が危機に晒される心配をすることなく、自分の生活を送れているんだ! 白人のあなたは特権を持っているんだ!!!〉

「特権」というのは、“(実際はそうでないにも関わらず)移民や黒人が差別に抗議することで不当な「特権」を得ている”として、白人貧困層などがそのはけ口に移民や黒人を攻撃する近年のレイシズムの特徴を意識しての言葉だろう。しかし、黒人は黒人であるだけで生存そのものが脅かされることがある。自分では気づいていなくても、現実に「特権」を与えられているのは白人だとビリー・アイリッシュは訴える。

〈もしすべての人の命が大事だと言うなら、なぜ黒人は黒人であるというだけで殺されなくてはいけないのか?〉〈なぜ移民は迫害されているのか?〉〈なぜ白人は他の人種には与えられないたくさんのチャンスが与えられているのか?〉と、人種差別の理不尽をたたみかけ、こう突きつけた。

〈なぜ白人はステイ・アット・ホームに抗議して銃を持つことまで許されるのか? なのに、なぜ黒人は罪なき人が殺されたことに抗議したら「THUGS(チンピラ)」などと呼ばれなきゃいけないのか? なんでかわかる? それが白人のクソ特権!〉

 これは明確にトランプ大統領とその支持者への批判だろう。新型コロナウイルスの影響による外出制限やロックダウンに反対し解除を求める抗議デモがアメリカ各地で行われ、なかでもミシガン州では銃を持ち武装した市民が州議事堂に押し入るというケースもあった。しかし、トランプ大統領はこうしたデモを批判するどころか支持・煽動していた。一方で、今回の差別抗議デモに対しては「THUGS(チンピラ)」と罵り武力制圧までちらつかせる。白人は銃を持ち出しても許され、黒人が差別に抗議するとチンピラ呼ばわり。ビリー・アイリッシュは、このトランプらの暴力批判のダブルスタンダードぶり、そしてそのダブルスタンダードこそが差別思想そのものであることを喝破してみせたのである。

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