自由民主党HPより
本当に安倍政権はどこまで危機感がないのか……。東京都が協力金を支給するのをはじめ、福岡市や山形市が店舗賃料の補助を打ち出すなど、休業要請にともなう支援策が地方自治体から次々に出てきているが、一方、安倍首相は「休業に対して補償を行っている国は世界に例がなく、わが国の支援は世界で最も手厚い」などと嘘の主張を繰り広げる始末で、何ら手立てを講じようとしていない。
いったい安倍政権がここまで補償を拒んでいるのはなぜなかのか。やはり一番大きいのは、「自己責任至上主義」だろう。安倍政権と自民党はいまや、完全に“自己責任”“弱肉強食”というウイルスに冒されているのだ。
実は、ここにきて、自民党幹部が「コロナで持たない会社は潰す」という信じられない冷酷発言をしていたことが、ほかでもない当の自民党議員の口から明かされた。
自民党では一部の若手議員が休業補償や消費税ゼロを求めているが、そのひとりである安藤裕衆院議員が、極右放送局「日本文化チャンネル桜」(11日配信)に出演し、こんな内幕をぶちまけたのだ。
「“自民党は冷たくなったよね”ってのはまさにそのとおりで、私、この提言の話で『損失補償絶対やらないと、粗利補償絶対やらないと、みんな企業潰れますよ』っていう話を、ある幹部にしたときにですね、『これでもたない会社は潰すから』と言うわけですよ」
さらに、12日付けの「デイリー新潮」では、経済産業研究所上席研究員である藤和彦氏が自民党内の政務調査会の信じがたい空気と発言を暴露した。
〈自民党の有力若手衆議院議員によれば、政務調査会の場で「休業補償を実施すべきだ」と主張したところ、「働かざるもの食うべからず」という自己責任論を振りかざす議員が圧倒的多数を占め、賛同者はほとんどいなかったという。〉
「これでもたない会社は潰すから」「働かざるもの食うべからず」──。 4月4日に国土交通大臣政務官を務める佐々木紀衆院議員が〈国は自粛要請しています。感染拡大を国のせいにしないでくださいね〉とツイートし非難を浴びたが、結局、安倍自民党の姿勢はこういうことなのだ。感染拡大は出歩く国民のせい、休業して食べていけない人もその人の、潰れそうな会社も会社のせい……。ようするに「すべて自己責任」というわけだ。
国による休業要請によって多くの会社や店舗、そこで働く人たちが窮地に陥っているというのに、安倍自民党ではすべてを国民の自己責任に押し付け、「補償する必要なんかない」と開き直っている。これでは、補償の動きが起きないのは当然だろう。
しかも、この自己責任至上主義の自民党に加えて、安倍政権には、給付や補償の大きな壁になっている存在がある。
安倍首相はいまごろになって、一律10万円現金給付に向けて検討を始めたが、一律給付は明日の生活にも困っている人たちのための緊急的な措置であり、一刻も早くやらないと意味がない。それをこれから考えるって、遅すぎるだろう、という話だが、御用メディアである読売新聞が14日の朝刊で、安倍政権が「一律10万円現金給付」をやろうとしなかった内幕を伝えている。