『グッとラック!』で司会を務める立川志らく(番組HPより)
「気持ちは分かるんですよ。マスクがいまだにない、トイレットペーパーもデマでなくなってしまったみたいなね。そういう恐怖が食べ物でもきっと来るんじゃないかっていう気持ちは分かるんだけれど、皆が買いだめせずに普通にしてたら物はなくならないわけなんですよ」
3月27日の『ひるおび!』(TBS)で、こう語ったのは立川志らく。小池百合子・東京都知事の外出自粛呼びかけ直後からスーパーに買い物客が殺到しているというニュースへのコメントで内容はいたってまともなのだが、やはり笑わずにはいられなかった。
というのも、志らく師匠、3月4日には『グッとラック!』(TBS)で、トイレットペーパーの買い占めについて、こんな暴論をはいていたからだ。
「そんな爺さん婆さんは昔を思い出して新聞紙でケツ拭けって言いたくなるね。ふた袋買っちゃうとかさ、自分だけよければいいのか、っていう人が多い」
「新聞紙でケツ拭け」から「気持ちはわかるんですよ」へ……。このトーンダウンはもちろん、「週刊文春」(文藝春秋)の第二弾記事のせいだろう。
3月12日号で志らくの妻と弟子の車中の情事を報じた「週刊文春」だったが、翌週3月19日号でも続報を掲載。妻が志らく主宰劇団の出演俳優とも関係を持っていたことや、妻との関係が発覚した別の元弟子Aへのひどい仕打ち、さらには妻から嫌がらせを受けてやめた女弟子Bの父親の告白などを報じていた。しかも、この記事では、志らくの妻が弟子を連れて、買い物に出かける様子をこうレポートしていたのだ。
〈二月二十八日、酒井(引用者注:志らくの妻のこと)は弟子の一人を連れて、自宅近くのドラッグストアへ。棚にあったティッシュペーパーを三セットずつ抱え、二人は別々に会計。それから隣のスーパーに駆け込んだ。
「トイレットペーパーが品切れしていることに苛立っている様子で、女性が『なんで!? なんで!?』と叫んでいました」(居合わせた客)
酒井と弟子は足早に自宅に戻ると、今度は車に飛び乗り、コンビニへ。二軒はしごして帰宅した二人の両手には、トイレットペーパーのパックがしっかり握りしめられていた。〉
上から目線で買い占めを説教しておきながら、実は妻や弟子にトイレットペーパー調達を押し付けていることがすっかりバレてしまった志らく師匠。バツが悪くなったので、急に買い占め行為に理解を示すポーズを見せ始めたということらしい。
もっとも、テレビでもネットでもこのことをつっこむ声はほとんど皆無だった。というのも、「週刊文春」の続報記事がほとんどどこにも取り上げられておらず、ティッシュやトイレットペーパーの買い占め行為じたいが知られていなかったからだ。
いや、続報だけではない。そもそも「週刊文春」が第一弾で大々的に報じた志らくの妻と弟子の車中情事や不倫もネットで一瞬、話題になっただけ。ワイドショーは、どの番組も1秒も取り上げず。スポーツ紙もネットニュースでは掲載していたが、紙面には一切掲載しなかった。
そして、志らくが司会を務める『グッとラック!』で「私は妻のことを信じておりますので、このことで夫婦の絆が壊れることも、離婚することも、一億パーセントございません。かけがえのない妻を世間の目から守る、命がけで守る、それだけでございます」「かみさんは18歳年下で、お酒飲むとわけが分からなくなっちゃうんです。だから、これ以上酒飲むな、弟子にも愛情をかけ過ぎるなと。弟子にも、子どもみたいなものだからと小言を言いました」とコメントすると、「志らくは男気がある」「器が大きい」などといつの間にか美談になってしまった。
妻のことはともかく弟子については、「週刊文春」が報じたように、妻と関係をもった弟子を一方的に責め立て破門にしたり、妻から嫌がらせを受けた弟子を守らずやめさせたりと、「わが子」とは程遠い扱いなのだが、そんなこともまったく報じられていない。