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新型コロナで安倍首相の「感染症対策のため加計学園に獣医学部」の嘘が明らかに! 対策研究できず萩生田大臣が「講義で扱う」と言い訳

加計学園は新型コロナウイルスだけでなく、感染広がる豚コレラも対応できない?

 萩生田文科相は「獣医学部は開学して2年目であり、6年の過程が完成するまでに順次体制が整えられていく」とも答弁したが、大学は、学生の教育機関であるだけではなく研究機関でもある。実際、京都府とともに国家戦略特区での獣医学部新設に名乗りを上げていたものの、当時官房副長官だった萩生田氏が「広域的に(獣医師系養成大学が)存在しない地域に限り新設を可能とする」という条件を加えさせたことで振り落とされてしまった京都産業大学では、獣医学部新設に向けて2006年に「鳥インフルエンザ研究センター」を立ち上げていたが、特区に選ばれなかったあとの2018年4月には同センターを「感染症分子研究センター」に改組し、広範にわたる感染症研究の体制を整えている。

 いや、そもそも9つの大学に調査研究を指示したように、安倍政権が「感染症対策」の重要性に重きを置いていたとしたら、国家戦略特区で加計学園の獣医学部新設を認めるよりまえに既存の大学・学部の研究体制のさらなる充実を図ることを選んでいたはずだし、そうするべきだという意見も噴出していた。だが、そうした声を一顧だにせず、安倍政権は「加計学園ありき」で獣医学部新設を認めたのだ。しかし、それがどうだ。「感染症対策」を掲げて新設したというのに、加計学園の獣医学部は新たな感染症にまだ対応できない状態にあるというのである。

 無論、こうした事態になることも最初から懸念されてきたことだった。現に、獣医学部新設が決まった加計学園傘下の岡山理科大学は、最初に提出した書類も京産大が20枚に対しペラ2枚というやる気のなさで、挙げ句、「MERS」(中東呼吸器症候群)を「MARS」(火星)と記載するといったいい加減さだったからだ。

 だが、加計学園獣医学部にかんする問題点は、新型コロナウイルス対応だけではない。国内で感染が広がっている家畜伝染病の豚熱、いわゆる豚コレラの研究についても疑問視せざるを得ないからだ。

 というのも、ウイルスや細菌などの病原菌はその危険性に応じて1から4の「バイオセーフティレベル」(BSL)に分類され、そのレベルに応じた施設でないと病原菌は扱えない。そして、豚コレラはBSL3に分類されている。しかし、「岡山理科大学安全対策マニュアル」2019年3月版を確認すると、〈岡山理科大学内で可能な実験は,レベル1及びレベル2である。レベル3,レベル4は,岡山理科大学では不可能な実験である〉と書かれているのだ。

 安倍首相は獣医学部新設の理由として、鳥インフルエンザや口蹄疫といった家畜伝染病の例を持ち出して「四国で鳥インフルエンザ等が起こったときに直ちに対応していくためには、人材供給の拠点となるべき獣医科が必要」「この問題に対応するために、専門家の養成あるいは公務員獣医師の確保は喫緊の課題」と強調してきた。しかし、同じく家畜伝染病で対応が喫緊の課題となっている豚コレラの実験が、加計学園の獣医学部では現在、「不可能」なのだ。

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