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池上彰とカズレーザーがフジ特番で日韓右派合作のフェイク本『反日種族主義』に丸乗っかりして韓国ヘイト! その間違いを徹底検証する

池上彰とカズレーザーがフジ特番で日韓右派合作のフェイク本『反日種族主義』に丸乗っかりして韓国ヘイト! その間違いを徹底検証するの画像1
2日放送の『日曜THEリアル!・池上彰SP』(番組HPより)


 2日放送の『日曜THEリアル!・池上彰SP』(フジテレビ)が「韓国“反日主義”の行方2020池上彰緊急取材」と題して“韓国の反日”を特集したのだが、その内容はあまりにひどいものだった。あの『反日種族主義』(李栄薫・編著)に完全に依拠して、「韓国は嘘と捏造ばかり」「嘘の歴史で反日攻撃している」とまくしたてたのだ。

 番組では、徴用工問題や韓国での日本製品不買運動、旭日旗問題などを取り上げたうえで、MCの池上彰と三田友梨佳アナウンサーが韓国を取材したVTRを放送。昨年、日韓両国でベストセラーとなり、日本では極右界隈に絶賛されている書籍『反日種族主義』をメインで扱った。同書を「実証的な歴史研究に基づいて、韓国の反日の根元や歴史認識に大きな嘘があったことなどが書かれ、自国を痛烈に批判している」などと紹介し、編著者の李栄薫(イ・ヨンフン)・元ソウル大学教授に池上らがインタビューするという内容だ。驚くのは、『反日種族主義』が主張している“韓国の嘘”に、池上彰が全面的に同調していたことだ。

 たとえば李氏が「種族主義」という言葉について「本質的な特徴は強力な閉鎖性、また敵対心が強いということ。特に日本に対しては歴史的に受け継がれた敵対感情が民族主義という名のもとに広がった。それが韓国種族主義の特徴」などと話すと、池上は「韓国という国をまとめるためには反日という敵が必要だったということでしょうか」と応答。さらに李氏が「韓国人の自己認識というものは集団的なアイデンティティを見ると反日の感情を前提にしています」「韓国人であることこそ反日の感情に忠実な人間になるということ。で、そうした教育が今まで行われてきた」などと主張すると、池上は「反日というのは教育によって形成されたということですね」とまとめるのだ。


「反日」が「反日本」でなく「反日本帝国主義」であるということや、日本の植民地支配からの独立とう歴史的経緯を一切すっ飛ばして、あたかも反日によって韓国人のアイデンティティが形成されたかのような妄言をそのまま垂れ流すとは、ネトウヨのヘイトと変わりがないではないか。

 しかも、このインタビューを受けて、スタジオでは他の出演者も『反日種族主義』に乗っかり、反感感情を煽る様なコメントを連発した。たとえば、インテリお笑い芸人のカズレーザーはこんな調子で“解説”してみせた。

「先ほど教授がおっしゃっていたように、今の韓国の若者が持っている危機感とか意識、何か経済発展しづらい、閉鎖的である、その原因なんだろうって考えたときに、一歩目から日本が悪いんだ、反日、日本っていう敵がいるから問題なんだ、原因がそこにあるんだと思いがちなところを、それだけじゃもうカバーしきれなくなってる。それが伝わってきたと思いますし、反日に逃げるのはおかしいんじゃないかってことを、たぶん提言された本だと思うんですね」

 カズレーザーは『反日種族主義』を“韓国人がいきすぎた反日を諌めた本”であるかのように言っているが、この本はそんな上等なものではない。中身はネトウヨの嫌韓本とほとんど同じ、フェイクにまみれたものだ。〈韓国の嘘つき文化は国際的に広く知れ渡っています〉などとヘイトまがいの言葉が並び、慰安婦問題や徴用工問題などの歴史認識でも日本の歴史修正主義や政府の言い分を“トレース”するような嘘があふれている。

 本サイトでは日本語版出版直後に詳しく伝えているが、いい機会なので、もう一度指摘しておこう。

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