新型コロナウイルスを改憲=緊急事態条項に利用し始めた安倍政権と維新
ようするに、安倍応援団は野党を攻撃し、まるで新型コロナウイルスの対応を無視しているかのように喧伝しているが、実際のところ、中国当局の情報隠蔽に抗議もせず、感染拡大に対する危機管理がまるでなっていないのは、政府・安倍政権なのだ。
こうした「野党ガー」攻撃によって安倍首相の無為無策が覆い隠されていくわけだが、しかし、さらに恐ろしいのは、安倍首相がこの新型コロナウイルス問題をさらに政治利用することだ。
というのも、安倍首相は今回のチャーター機手配によって、国外に取り残された邦人を救助するということを国民に強くアピールし、自衛隊の集団的自衛権行使の正当化に利用しようとしたと思われるが、さらにこれを憲法改正につなげようとしているのではないか。
現に、今回の新型コロナウイルスをめぐっては、28日の衆院予算委員会で、日本維新の会・馬場伸幸幹事長が自民党憲法改正案のひとつである「緊急事態条項」の議論が必要だと訴えるなかで、「新型コロナウイルスの感染拡大は国民には大きな不安だが、いいお手本になる」と発言。ネット上でも「新型コロナウイルスの問題を考えると緊急事態条項は必要」「緊急事態条項があれば中国みたいに街の封鎖も可能になる」などという意見が出てきている。
新感染症と憲法改正を結びつけて「いいお手本」などと言い出すとは、安倍首相の改憲別働隊の面目躍如だが、改憲したくてたまらない安倍首相にとっては、飛びつきたくてたまらないネタであることは疑いようもない。いまは騒動の真っ只中であるため公言せずとも、そのうち「いいお手本」として新型コロナウイルスを改憲の材料に持ち出す可能性は高いだろう。
自分の失策を応援団たちの野党批判によってカバーし、その上、対策をおろそかにしながらも政治利用はしっかりする──。災害対応でも国民を見捨ててばかりの安倍首相だが、あらためてこの男に危機管理を任せることの危険さを国民は直視すべきではないだろうか。
(編集部)
最終更新:2020.01.30 11:05