森喜朗が新国立競技場問題で「悪いのは高くなると騒いだメディア」と逆ギレも東野幸治は…
いや、ツッコまなかっただけではない。五輪開催時の交通対策についての話のなかで、森会長は逆に建設費の高騰を自らこう正当化していた。
「例えば国立競技場なんかも、冷暖房ちゃんとしてあったのに、高くなるとかなんとか騒いでさ、壊されちゃったんだ。やりやすいようにちゃんと屋根付きにしてやったのも、高いからって、それも外された。でこういうの高いとか、なんか色々、注文をつける国会議員はいます。ま、世論受けするから。一番悪いのは、それを一緒になって騒ぐメディアだよ。」
ところが、こんな我田引水な理屈に誰も反論せず、東野にいたってはここでも「我々も、ちょっと一緒になって、こんなな税金のムダ遣いやっていうか」などと反省の姿勢を見せる有様だった。
最後になって、古市がようやく、「やっぱり東京都知事といろいろ確執がやっぱりあるんですか?」とツッコミを見せたが、このときも、松本「そろそろお時間のほうが……」とフォローしてまたも笑いにスリカエ。
しかも、この流れで、最終的に森が「(オリンピック誘致が決まってから)知事がね、石原さんも入れて4人も変わってるんですよ。だけど、それは知事が変わっても、どういうことがあってもちゃんと動かしていく、そしてそれは組織委員会があるがあるからですよ。考えてみると、組織委員会の会長はしっかりしてるから崩れない」と、厚顔無恥な主張を展開するのだが、一同は反論することもなく大爆笑。東野が「最後は森さんの自慢で終わりました!」と締めてしまったのである。
『ワイドナショー』や、松本ら出演者の権力御用体質はわかっていたはずだったが、あれだけ国民から不評を買っている森会長にまでこんな露骨に尻尾をふるとは……。
ここで想起されるのが、森喜朗会長がスタジオに登場したとき、松本に「あなたが誘ってくれて」と言っていたことだ。ようするに、松本みずからがセッティングしたということではないか。
そう考えると、森出演の背景には、テレビ局や吉本興業の五輪対策というような意味合いもあったのかもしれない。五輪を牛耳る大物元政治家に番組を使って接待をしたのではないか。
実際、ここまで露骨でなくても、メディア、とくにテレビの東京五輪へのスタンスは冒頭でも説明した通り、似たり寄ったりだ。
五輪の話題は出場選手の動向以外では、「日本が一つになって成功させよう」だの「ラグビーW杯に続いて日本国民がONE TEAM で」などという、応援キャンペーンばかり。会場建設をめぐる疑惑はもちろん、五輪開催による被災地復興遅れの問題も、誘致をめぐる竹田恒和会長や電通の不正も、ボランティアをめぐる混乱も、マスコミでは完全になかったことになってしまっている。