「桜を見る会」で安倍首相と握手、自衛隊好きで知られ、空母化で批判受ける「いずも」1日艦長まで
おそらくカズレーザーは、沢尻逮捕当時のマスコミ報道を鵜呑みにしてテキトーに口にしたのだろうが、普通に「情報リテラシー」があれば、少なくとも「ゴリゴリのヤク中」などという見方が簡単に成り立たないことはわかるはずだ。
ようするに、ネットやマスコミから「わかってる」とか「鋭い指摘」などとヨイショされているカズレーザーだが、ようは、世間やその場の空気を読んで“勝ち馬”に乗り、叩いても安全なところを叩いて“バランス”をとっているだけなんじゃないか。
事実、カズレーザーが、まともな政権批判や大企業批判などに言及したところなんて見たことがない。相手が弱いときにかぎって、アナウンサーたちが口ごもりそうな下品な表現を使いながら、「このラインまでなら大丈夫」という嗅覚を発揮して、一見、踏み込んでいる風に喋っているだけだ。たとえば「桜を見る会」問題にしても、政権の問題点はほとんど語らず、逆に、相方である安藤なつの結婚発表に〈首相の桜を見る会から注意を反らすための陰謀ニュースとみて間違いないでしょう〉とツイートするなど、「沢尻逮捕は政権が目をそらすため」という“陰謀論”をバカにすることに夢中になっていた。
というか、だいたいこの人、自ら今年の「桜を見る会」に出席し、安倍首相と嬉々として握手をしているのだ。普通のお笑い芸人ならともかく、本当に「教養」と「リテラシー」がある芸人があんなものに参加するのか。
しかも、もうひとつ気になることがある。実はカズレーザー、自衛隊好きとして知られ、日本テレビの『沸騰ワード10』という番組でも、自ら熱望してブルーインパルスやチヌーク、陸上自衛隊富士学校での「総合火力演習」などを体験取材している
これだけでもなんだかなあという感じだが、まあ、個人の趣味まではとやかく言わない。問題なのは、「メイプル超合金」で、護衛艦「いずも」の1日艦長までやってることだ。
2019年10月6日、防衛省海上自衛隊の公式アカウントがこんなツイートをしていた。
〈【自衛隊観艦式】護衛艦「いずも」は、先程、メイプル超合金さんを1日艦長に任命しました。12時30分からメイプル超合金艦長によるトークショーを赤レンガパークの会場で行います。〉
周知のように「いずも」は31億円をかけて空母化された護衛艦で、その機能は専守防衛を逸脱して、米国を支援するための布石ではないかと批判を受けている。
普通のアイドルならともかく、情報番組のキャスターを務めるような人間がそんな批判のある自衛艦のPR役を“お仕事”としてやっていいのか。
いまのところ、カズレーザーからは露骨な政権擁護発言や軍国主義発言は見られないが、この先、地金が出てきて、いつのまにか安倍応援団に堂々と名前を連ねるようになるのではないか、と心配でならないのである。
(本田コッペ)
最終更新:2019.12.24 11:27