英語民間試験導入は加計問題とそっくり! 決定プロセスに利害関係者が
荒唐無稽なネトウヨ陰謀論のヤジを飛ばし、挙げ句、「官邸は絶対やると言っている」「総理は「平成30年4月開学」とおしりを切っていた」と書かれた内部文書を「自分がつくったかもしれない」と言い出す錯乱総理……。ともかく、いかに安倍首相が加計学園問題を蒸し返されることを心底嫌がっているか、そのことが浮き彫りになったといえよう。
だが、そういうわけにはいかない。というのも、きょうの集中審議では、英語民間試験導入が、いかに加計問題とよく似た問題を抱えているか、次々に指摘されたからだ。
たとえば、きょうの審議では、前述した民間試験の活用を議論した文科省の「検討・準備グループ」では、当初、英語の専門家がメンバーにひとりもいなかったことが発覚したのだが、その後加えられた英語の専門家である有識者は、民間試験実施団体である英検が運営するTEAPの設計にかかわった吉田研作・上智大学言語教育研究センター長だった。
さらに、やはり民間試験に採用されていたベネッセが実施するGTECを共催し、ベネッセ東京本部を所在地とする進学基準研究機構(CEES)の理事長は、元文部事務次官の佐藤禎一氏だったことを野党が追及。しかも、CEESの理事には丹呉泰健・元財務事務次官が、評議員には元文科省中央審議会会長で高大システム改革会議座長である安西祐一郎氏が入っている。安西氏は民間試験の活用という方針を打ち出した中央教育審議会の会長だった人物である。
民間試験導入のプロセスに利益を得る民間業者が入り込んでいたという重大な疑惑。そして、問題はここに政治家の関与はなかったかということだ。本サイトでも既報で紹介したように、あの田崎史郎氏でさえ「(英検やベネッセなどの)団体ごとにおそらくね、政治家が付いているんですよ。裏で」と口にしていたが、教育行政を牛耳る族議員らの関与が十分に疑われる案件であり、否応なく加計学園問題を想起させる展開となっているのである。
今後の徹底した追及が待たれる問題だが、そのとき、また安倍首相は加計学園の追及に怯えて“ご乱心”するのか。ともかく、どこまで醜態を晒すのか、そちらも見ものかもしれない。
(編集部)
最終更新:2019.11.06 10:34